(寄稿)[神戸鳥瞰虫探し]おなか膨らす支出が膨らむ 外食増加も価格には敏感

神戸鳥瞰虫さがしワッペン

 家計調査で見た神戸市民の消費支出実額は、ここ1年で緩やかな上昇を見せている。そんな中でも、特に顕著に増加傾向を示している分野に「食」がある。食料品と外食への支出を合計した「胃の腑を満たす費用」は過去1年で、季節要因では片付けられないほどの伸びをみせている。食品価格の下落が進む中で、外食への支出が増えているからだ。

 小売物価調査で神戸市の品目別を見ると、「高価」の印象がある肉の小売り価格は、変化の少ない食材に属する。とくに鶏肉、豚肉は価格が安定している。牛肉は上昇傾向にあるが、長期トレンドで見れば「回復」傾向という方が正確だろう。食パン、鶏卵は下落している。加工食品こそやや上昇しているが、その代表品目である即席めんは下落組に入る。

20170617神戸鳥瞰虫探しグラフ

 価格下落で食料品への支出が減った分を、外食に回しているというわけではない。結果として食への支出の総額が増えているのだから、「少し奮発して外食しよう」という気持ちが働いていることは明らかだ。食への財布のヒモが緩んでいるということになる。大企業のベアだとか、円安による輸出の増加といった景気には少し明るいニュースが増えているためか、気持ちに余裕が出てきたということは言えるのかもしれない。

 高齢者世帯が増えていることを勘案しても、東京だけでなく神戸市などの地方にも波及してきた地価の上昇や、株高などが気持ちへの余裕に働きかけている可能性がある。月に数千円の外食費を増やす理由にはなりそうだ。

 一方で消費支出が伸びているほどには、現金給与が伸びてないというのが実態もある。過去2年間の兵庫県の現金給与は調査対象の全産業で見て、ボーナス月である6月と12月を除くと、25万円をはさんで一進一退だ。消費者は依然として価格に敏感な状況だ。そう言われてみれば、どのメニューも均一価格で提供する居酒屋や、低価格をうたい文句にした外食店の看板が増えているようにも思う。グルメも例外なく、価格に敏感ということか。
(候鳥)
=随時掲載します


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