(寄稿)[神戸鳥瞰虫探し]から揚げ弁当、神戸で上がる 価格か商品力か?


神戸鳥瞰虫さがしワッペン

 「売り手市場」で新社会人になった勤労者は弁当の「買い手」として、どんな選択をするのだろうか。多様な食材を彩色豊かに盛り込んだのが幕の内弁当。食材に組み合わせの多様性がある分、製造費を調整しやすい側面も持っている。他方、特定の食材を主とした場合は単品の物価変動が直接、最終価格に反映されやすい。弁当価格の変動に、この違いが表れる。

 神戸市の家計は最近、弁当の購入を積極化している。2014年から15年にかけては購入頻度が低く、従って支出実額も低位で推移していた。ところが、このところ弁当の購入頻度(100世帯当たりの月間購入回数)が大きく上昇。3カ月移動平均で見ると、16年5月から大阪市の家計を抜く頻度になってきた。弁当への消費支出実額も、大阪市家計に迫る水準になってきている。

20170410神戸鳥瞰虫探し

 3月の消費者物価指数で見ると、神戸市で生鮮野菜が92.5(2015年=100)と2月の96.7からさらに下落したほか、生鮮果物も下落している。しかし肉類は106.0と上昇が著しい。生鮮魚介も102.1で惣菜原料は総じて上昇傾向を強めている。食料全体の前年比伸び率はマイナスが続いているので、中分類で見た肉と魚の価格上昇は目立つ存在だ。

 総務省の小売物価調査は2015年から調査対象の「弁当」が細分化されて、「からあげ弁当」が追加された。昨年の4月には450円だった神戸市でのからあげ弁当価格が、今年2月には510円へと上昇してきた。大阪市価格の490円を上回る水準だ。しかし、幕の内弁当の場合は様相を異にしている。神戸市の2月価格は523円で昨年同月を下回っている。大阪市の場合も同様だ。この部分を見る限り、弁当の価格下押し圧力は根強い。

 偏った食材で製造された「からあげ」や「にぎりすし」の弁当で価格が上昇傾向を見せる状態は、増加し始めた購入頻度にブレーキをかけるのか。もしくは食材価格上昇の転嫁を、徐々に受け入れつつある消費の持ち直しと読み取るべきか。4月は意外な分岐点になるかもしれない。
(候鳥)
=随時掲載します

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