(寄稿)[神戸鳥瞰虫探し]義理がすたればこの世は・・・景気とチョコレート

神戸鳥瞰虫さがしワッペン

 贈るも貰うも気遣いと配慮が欠かせず、時として重荷にもなるのがバレンタインチョコレレート。神戸は洋菓子が地場産業なので、商機であるべき季節だ。ただ、この季節のチョコレートは団欒(だんらん)よりも個的、密やかに贈られ、消費させる性向が強い。特別な心のひだに纏(まと)いつくこの季節のチョコレートだが、神戸では義理切りが進むかも知れない。

 家計がチョコレート類を最も多く購入するのは2月だ。家計調査で「チョコレート」「チョコレート菓子」が別に集計されるようになったのは2005年から。神戸市では、2月に購入されるチョコレート類のうち「チョコレート菓子」比率は、前後の月よりも低くなる。バレンタインの2月には本物のチョコレートを購入する指向が強い。

20170211神戸鳥瞰虫探し

 一方、このところチョコレートの原料となるカカオ豆の輸入数量は伸び悩み気味だ。洋菓子の"本場"神戸を含む関西では、原料となるカカオ豆の輸入主力港は神戸港と岸和田港(大阪税関管内)、国内で圧倒的に輸入量が多い東京港と横浜港、いずれも目立った伸びは見られない。何よりも輸入単価が高騰しているためだ。これを反映して、神戸市内でのチョコレート小売価格も高水準で推移している。

 価格騰貴は代替商品へのシフトを生むのが一般的だが、バレンタインの場合は本物指向が高いので「チョコレート菓子」は回避されがち。高値でもプレゼント市場では「チョコレート」でなければならないもののようだ。

 神戸市のチョコレート購入額と景気動向指数の先行CIと比較すると、景気感が低下している局面(グラフでは右軸で上向き)の時に購入額が膨らむ傾向がある。昨年との水準比較では、今年の消費額は大きく伸びないのではないか。その中で「チョコレート菓子」を回避して、値上がりしているチョコレートを購入するとすれば、購入個数が圧縮されざるを得ないだろう。

 こうしたチョコレートを巡る環境のもと、今年は「本命チョコレートは高級品に絞り込み、義理チョコは圧縮かチョコレート菓子化」という選択に傾きやすいということになる。義理でも貰いたい男性には失望感が高まる日を迎えるかもしれない。

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