(寄稿)[神戸鳥瞰虫探し]関心は政策効果に移るかもしれない スタジオアタオ上場

神戸鳥瞰虫さがしワッペン

 11月までの新規上場銘柄が発表された。今年初めての兵庫県下企業が入っている。神戸本社企業の新規株式公開(IPO)は2012年12月のアジュバンコスメジャパン以来になる。上場企業の多寡は、産業・雇用の活性化と投資機会を提供する上で重要だ。多くの自治体では、産業活性化に取り組んでいる。IPO企業数はその成果の指標にもなる。

20161104虫探しグラフ

 11末に上場するスタジオアタオの本社は神戸市中央区。開示資料によれば、創業者の出身地である岡山の布と地元姫路の皮革を使ったバッグ、財布類の小売り事業者だ。ファッション性を武器にしている点で「神戸ならでは」の地場産業を連想させる。もっとも販売商品の製造は大阪にある事業者へ委託している。

 兵庫県下企業からの新規上場が相次いだのは2002年の7社(うち神戸3社)と2004年の8社(神戸4社)だった。全体として見れば姫路や尼崎よりも神戸企業の動向が兵庫県を牽引している。神戸市からの上場社数が減れば兵庫県域全体も減る格好だ。

 スタジオアタオの創業は2005年。短い期間でも、上場できるほどの成長力を生み出せる企業が神戸市に存在している事実は興味深い。しかも株主数が6人で、ベンチャーキャピタルの資金は入っていない。金融頼み以外の方法で成長を達成してきた。このことは産業が活性化するための条件が多様であることを示している。政策的なIPO増加策は一筋縄では行かないということだろう。

 この会社は製造設備を保有していないこともあって、従業員数は42名と小ぶり。雇用拡大効果は決して大きくはない。ジャスダックとマザーズの新興2市場の合計買い金額の推移を見ると減少傾向にある。IPO市場は国民金融資産を十分に手繰り寄せているとは言えない。市場環境が向かい風になってきた中で、個別企業の動向以上に、特区などを通じて展開されている産業政策の成果がいつ表面化してくるのかに関心が移ることになるだろう。(候鳥)
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