本庶氏ノーベル賞記念の研究施設に「共用機器室」 動物実験施設も使用開始

20210703HBI共用機器
 神戸医療産業都市を運営する神戸市の外郭団体である神戸医療産業都市推進機構(神戸市中央区)は、同機構が設立20周年と本庶佑理事長(写真左=同機構提供)のノーベル賞受賞を記念して設立した「次世代医療開発センター(HBI)」内で7月1日から、「共用機器室」と「動物実験飼育施設」の運用を始めた。医療や生命科学にかかわる研究者やスタートアップが、自前で用意するにはハードルが高い設備を使いやすくして、神戸医療産業都市での研究や技術開発を後押しする。

 HBIは昨秋開業した、全室を実験室として研究室ビル「クリエイティブラボ神戸」(神戸市中央区)内に4月に開設。共用機器室は同ビルの6階に入居した。細胞の詳しい観察などに使う「フローサイトメーター」や「セルソーター」(写真右=推進機構提供)、大型の顕微鏡やデジタルマイクロスコープ、凍結標本を作るのに使う「クリオスタット」など、安くても数百万円といった機器が並ぶ。

 国際基準に見合う「動物実験飼育施設」も1階に整備した。できるだけ動物実験を避ける社会の要請もあり、動物実験施設を設置するには、さまざまなルールやガイドラインなどの基準に合致する必要がある。継続的な動物の飼育も当然必要とあって、スタートアップを含む中小企業などが動物実験施設を自前で運営するのは難しい。このため推進機構が維持・管理して実験資源として共有する。

 研究目的であることを確認する事前審査を通過すれば、神戸医療産業都市に立地するかを問わず施設を使用できるようにした。大学などを含めても、検査分析機器や動物実験施設などを開放・共有するのは全国的にみても珍しい。ただ、神戸医療産業都市に立地する370社のうち、約50社がスタートアップとあって、こうした共有施設にまとまった需要もあると判断。既存の研究機関が新たな研究を始める際のハードルを下げることにもつながるとみている。

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