ビルまるごと実験室、ラボ不足回避へ 本庶氏ノーベル賞記念施設も入居

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 神戸市の久元喜造市長は8日の定例記者会見で、人工島ポートアイランド(神戸市中央区)にある神戸医療産業都市の地域内で、全室を実験室として利用できるビル「クリエイティブラボ神戸」が完成したと発表した。新交通システム・ポートライナーの京コンピュータ前駅から歩道橋で直結している。神戸医療産業都市では企業や研究機関の集積が進み、既存のレンタルラボ(賃貸の実験室)はすでに高い入居率という。さらなる集積のためには実験室を増やして「ラボ不足」の回避をねらう。

 神戸市の外郭団体である神戸都市振興サービス(神戸市中央区)が事業主体になって建設した。地上6階建てで、延べ床面積は約1万2000平方メートルだ。駅と直結する2階には、喫茶室を併設する交流スペース「イノベーションパーク」を設置。これに連なる形で2階にスタートアップ企業のための共有実験室を開設する。スタートアップの支援と同時に、偶然の出会いによるイノベーションが起きやすく効果も期待できそう。こうしたインキュベーション施設を神戸市主導で開設するのは初めてだ。

 同ビルの1階、5階、6階には神戸医療産業都市推進機構の20周年と、同機構の理事長である本庶佑氏が18年にノーベル生理学・医学賞を受賞したのを記念した施設「次世代医療開発センター」が入居する。寄付金の受け皿として設立予定の「本庶記念基金」なども活用し、革新的な医療技術の開発をめざす。21年春にも稼働する計画で、それまでに本庶氏を中心として研究テーマや呼び寄せる研究者らの選定を進めていく予定という。

 10日に完成記念式典を開催する。久元市長は、インキュベーション施設の設置で「初期投資を軽減してビジネスを始められるようにすることは、神戸医療産業都市をさらに発展させる有力な方向性」と強調。「たくさんの皆さんが活用して、最先端の研究開発を行っていただければ」と期待を語った。(写真はクリエイティブラボ神戸の外観=神戸都市振興サービス提供)

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