実験室ビル「神戸クリエイティブラボ」完成式典 「10年でメガベンチャー輩出」

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 神戸市中央区の神戸医療産業都市では10日、全室を実験室として利用できるビル「クリエイティブラボ神戸」の完成記念式典を開催した。式典は新交通システム・ポートライナーの京コンピュータ前駅に歩道橋で直結する2階のロビー「イノベーションパーク」で開いた(写真)。ビルを建設した神戸市の外郭団体である神戸都市振興サービスの梅村晋一社長はあいさつし、「この場がコラボレート、ピッチイベント、意見交換をする場として活躍すれば」と話し、同ビルでの活発な研究開発や情報発信に期待した。

 イノベーションパークと同じ2階には、バイオや医療などに関するスタートアップが実験室を共有できるスペース「スタートアップ・クリエイティブラボ」を開設するのが特徴。病気につながる一部のウイルスや細菌などを扱うことができる「P2レベル」の実験室を備え、高コストとされるバイオや医療の起業にかかる費用をできるだけ抑えられるようにした。式典に出席した神戸市の久元喜造市長、神戸商工会議所の家次恒会頭らは、年内に稼働をめざすスタートアップ・クリエイティブラボを視察した。

 久元市長らの視察終了後、スタートアップ・クリエイティブラボの運営を受託した起業支援を手がけるリバネス(東京都新宿区)の丸幸弘グループCEO(最高経営責任者)は神戸経済ニュースなどの取材に応じ、「10年で時価総額(に相当する企業価値)が1000億円を超すメガベンチャーを輩出したい」と、意気込みを語った。すでに神戸医療産業都市には大企業を中心に約370社が進出しているうえ、神戸空港から約10分と近いことが有利に働くと指摘する。

 丸氏は「神戸空港の就航先には、新たな技術の種やビジネスのアイデアを持ちながら、ラボ(実験室)不足のため起業に尻込みするケースも多い」とみている。そうした研究者などを取り込んだうえで、「すでに神戸に進出している大企業などと交流することで、ビジネスの成長は加速する」との筋書きだ。イノベーションパークなどを活用し、神戸医療産業都市の進出企業とスタートアップをマッチングする行事なども積極的に展開したいと話していた。

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