久元神戸市長「疑心暗鬼になり責任押し付け合うの不幸」 ワクチン巡り国や自治体

20210702久元神戸市長

 神戸市の久元喜造市長(写真)は2日午後の臨時記者会見で、新型コロナウイルスのワクチン供給を担当する河野太郎規制改革相や、田村憲久厚労相らが、自治体に積み上がったワクチンの在庫を自治体間で融通するよう求めていることについて記者の質問に答え、「少なくとも神戸についてワクチンが余っているということはない」と述べた。「このことは国にもしっかり説明している」という。特に神戸市では接種のペースを上げていることもあり、自治体に潤沢な在庫があるとの見方は「非常に奇妙に感じる」という。

 久元氏は「ついさっきも、近隣の自治体から神戸市にワクチンが余っていたら譲ってほしいという照会があったと聞いている」と明らかにした。そのうえで自治体間の在庫状況にばらつきがあることを前提にすると「自治体間に疑心暗鬼を生む」と指摘。さらに「国は自治体が余らせて退蔵していると思い、自治体は国が供給してくれないのはおかしいと疑心暗鬼になり、責任を押し付け合うのは非常に不幸だ」と語った。

 久元氏は「国と地方が手を携えてワクチン接種という、いままで経験したことのないオペレーションをやっていかなくてはならないのに、自治体の疑心を招きかねないような発言があるというのは非常に残念」と述べ、国の対応を批判した。一方、政府ではワクチンの供給量に対して接種実績が少なく、ワクチンの多くは自治体や医療機関に在庫として積み上がっているとの見方が広がっている。

 国が神戸市の求め通りにワクチンを供給できていないことについて記者が質問すると、久元氏は慎重に言葉を選びながら「国としても全力でワクチン供給に取り組んでこられたのだろうと思うが、こういうことにならないよう時間軸を持ってワクチン供給を進めていただければよかった」と答えていた。

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