神戸国際フルート音楽祭、約3カ月間に123の行事 コンクールを拡大

20161210神戸国際フルート音楽祭ロゴマーク

 神戸市は9日、2017年3月18日から6月11日の約3カ月間に「神戸国際フルート音楽祭」を開催すると発表した。久元喜造市長が税金から補助金を拠出しないと決めた神戸国際フルートコンクールを見直し、幅広い市民が参加できる音楽祭に衣替えする。期間中はコンクールを含み、コンサートやイベントなど123の行事を予定しているという。

 音楽祭には「音楽で楽しむ開港150年」という副題を付け、ロゴマーク(図=神戸市の発表資料より)も決定した。初日の3月18日には第4回神戸国際フルートコンクールの入賞者であるヘンリック・ヴィーゼ氏のリサイタルを神戸文化ホール(神戸市中央区)で開催。同氏による中高生向けのミニワークショップや本格的にフルートを学んでいる人向けのマスタークラスも予定する。6月2日にはコンクールの審査員らによるコンサートを神戸文化ホールで開くなど、世界最高峰のフルート奏者が期間中の神戸に集結する。

 このほか古民家や旧ハッサム邸といった異人館、教会、酒蔵など神戸らしい場所で、市民が気軽に立ち寄れるコンサートも計画中。神戸を拠点に活動するフルート奏者が出演者の中心になる見込みという。さらに、アマチュアのフルート演奏者300人程度を野外に集め、一斉に演奏して楽しむイベントも企画しており、詳細は決まり次第、改めて発表する予定だ。

 音楽祭の中核行事である第9回神戸国際フルートコンクールは5月25日から6月4日に、神戸文化ホールで開催。37カ国1地域から応募した240人から、審査を経てコンクールへの出場者を18カ国1地域の53人にしぼった。コンクールの様子は市民に公開する。

 神戸国際フルートコンクールは1985年に初回を開催し、その後は4年に1度ずつ実施してきた。開催には神戸市が5000万円と多額の補助金を拠出する一方で、市民の間に定着していないうえ神戸市への経済効果なども乏しいとして久元市長が問題視。第9回には補助金を投入しないと久元氏が宣言すると、市議会を中心にコンクール存続を求める声が高まった。個人から多額の寄付が得られたことで、第9回の開催に漕ぎ着けた経緯がある。

20161210神戸国際フルート音楽祭概要

 9日の定例記者会見で久元氏は、コンクールを含む音楽祭全体としては「市民的な広がりがある事業であり、公費を投入する理由は立つと思います」と述べ、神戸市の行事として公的資金を投入する方針を説明。投入する金額については「2017年度の予算編成の中に盛り込んでいきたい」と具体的には述べなかった。

 次回のコンクールに補助金を出すかどうかは、第9回のコンクールを開催したうえで判断するという。ただ久元氏は「第10回が開かれるのかどうかは、海外で音楽家を目指すみなさんにとっては関心事だと思うので、ギリギリにならないと方針が決まらないということには、ならないようにしたい」とも語った。

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