国連機関のスタートアップ支援拠点「GIC」が開業 国連調達に向け5社入居へ

20201106UNOPS式典

 国連機関「国連プロジェクトサービス機関(UNOPS、ユノップス)」は6日、スタートアップ企業を育成して国連調達につなげる拠点「グローバル・イノベーション・センター(GIC)ジャパン神戸」の開業式典を同所内で開催した(写真)。同機関の事務局長であるグレテ・ファレモ国連事務次長がビデオメッセージで「神戸への立地で、日本、兵庫県、神戸市の(スタートアップ支援に関する)経験や知識が活用でき、SDGs(持続開発目標)の達成に向けた新たなビジネスの機会と、ソリューションの創出に期待している」と述べた。

 ファレモ事務次長は「貧困を終わらせ、不平等を是正するには生産、分配、消費の方法を根本的に変えなくてはならない」と強調。そのためには「より良い価値を生み出すための新しいパートナーシップを構築する必要がある」と述べ、GICジャパン神戸を通じたスタートアップ国連との新たな関係が始まることに期待した。同所では取り組む課題の第1弾として、ソニーと共同で「テクノロジーを用いた強靭(じん)なインフラを作り、気候変動への対処を強化する」を設定。まず5チームが入居を予定する。

 GICジャパン神戸兵庫県と神戸市が誘致した。UNOPSのGICとしては世界で3カ所目だ。国連が必要になりそうな技術を持つスタートアップを育成することで、国連の調達につなげるのを目的とした施設。兵庫県の井戸敏三知事はあいさつで「コロナ後の社会をリードする活動を、ここから展開していただけることに、強い期待を持っている」と述べて開設を祝った。神戸市の久元喜造もあいさつし、「世界各地の課題を解決するテクノロジーが神戸から生まれることは、大変名誉なことだと感じている」「神戸がグローバル都市として発展していく新たなステージに入った」と語った。

 兵庫県の「起業プラザ兵庫」、三井住友銀行の「フープスリンク神戸」に併設する形で、三井住友銀行神戸本部ビル(神戸本部ビル)に入居した。場所を提供することになった三井住友銀行の宮田孝一会長は、「神戸は日本の開国依頼、世界中のさまざまな文化の玄関口の役割をになってきた。世界中のスタートアップが集まり、ソリューションを生み出す場として、これほどふさわしい場所はない」と述べて、GICジャパン神戸の発展や、同社施設との相乗効果を期待した。

 新型コロナウイルスの感染防止を目的とした入国制限などの影響で、来日を見送ったファレモ事務次長に代わり、式典にはUNOPSでGIC部門の責任者であるのヨナス・スヴェンソン氏が出席した。

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