金花川重社長、鉄道車両「自力で再建可能」強調 定時株主総会
- 2019/06/26
- 12:29
川崎重工業が26日に開催した株主総会では、株主から鉄道車両の製造事業に関する質問が相次いだ。車両事業は2017年12月に発生した新幹線台車問題に加え、19年3月期まで2期連続で大幅な赤字を計上したが、金花芳則社長は「自力で再建は可能と判断した」と強調した。品質管理についての是正策は「着実に進んでいる」うえ、好採算の案件に受注を厳選する方針を改めて説明した。
川重は車両事業の収益悪化を受けて、金花氏を委員長とした「車両事業再建委員会」で今後の方針を検討した経緯があった。金花氏は従来の車両事業について、工場操業を確保する観点から赤字で受注する案件もあったと明かした。そのうえ「工場操業(の枠)を埋めた後で、われわれが得意としている高い技術を求められる案件がきても、受注できないことがあった」という。今後は価格競争にできるだけ参加しない方針だ。
品質管理については「設計段階から作りやすい車両にするということが進んでいる」と説明。対策は浸透しており、新幹線台車問題と「同じ問題は2度と起きないと確信がある」と話していた。
一方で、新幹線台車問題を受けてJR東海が川重に新幹線を発注しない方針を示した影響について株主が質問すると、金花氏は「JR東海が日本車輌製造を系列化してから新幹線案件の発注はなく、大きな影響はない」との見方を示した。このほか会社風土や組織文化についての質問の複数あり、金花氏は改革に努めていることを説明していた。
株主総会では取締役の選任など3議案を、すべて会社提案通り可決した。株主総会は午前10時に始まり、午後0時12分に終了。所要時間は昨年よりも10分長い2時間12分だった。一方、会場に足を運んだのは昨年(508人)を下回る460人だった。
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