川重、CO2分離・回収システムの実用化試験 省エネ型、関西電の舞鶴発電所で
- 2017/09/20
- 00:32
川崎重工業は19日、同社が開発した省エネルギー型二酸化炭素(CO2)分離・回収システムの実用化試験を関西電力の舞鶴発電所で実施すると発表した。火力発電所の排ガスからCO2を分離して、大気中へのCO2排出を抑える。課題になっていたCO2の分離・回収に使うエネルギーの削減を、実際の石炭火力発電所で試験する。時期は2019年度以降を予定しているという。
地球温暖化の抑制を目指すパリ協定に基づいて、日本は30年までにCO2の排出量を13年度比で26%減らす目標だ。発電所などの排ガスからCO2を取り除くのは、目標達成のために重要な技術の1つとされる。だが従来は、排ガスからCO2を分離・回収すること自体に大きなエネルギーが必要になることが課題だった。
川重は地球環境産業技術研究機構(RITE、京都府木津川市)と共同で、未利用エネルギーである低温排熱を使ってCO2の分離・回収できる仕組みを開発。従来よりも省エネルギーでCO2を回収できるようにした。試験はRITE、関西電と共同で実施。それぞれCO2吸収材の開発、システムの評価を担当する。排ガスから1プラントあたり1日に40トンのCO2を取り除く計画だ。
試験の実施にあたり、川重などは発電所内に実用化試験設備(イメージ図=川重の発表資料より)を建設。高さは約40メートルになる。今回は試験とあって、いったん回収したCO2は特に貯留せず、再び発電所の排気ルートに戻し、煙突から排出することになっている。
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