兵庫日銀短観、全産業DIが2期連続改善 大幅改善も「第3波」リスク要因
- 2020/12/15
- 00:17
調査期間は11月11日〜12月11日。兵庫県内の330社が対象で、回答率は99.4%だった。業況判断DIは景気が「よい」と答えた企業の割合(%)から、「悪い」と答えた企業の割合(%)を差し引いて算出する。
製造業の業況判断DIはマイナス23と、前回調査から14ポイント改善。輸送用機械のうち「自動車」が11と、前回に比べて44ポイント改善したのを中心に、「鉄鋼」「非鉄金属」など自動車関連に景気の改善が波及した。半面、内食需要の高まりが一巡して「食料品」がマイナス23と前回比1ポイント悪化。輸送用機械のうち航空機部品を含む「造船・重機、その他輸送用機器」がマイナス50と8ポイント悪化した。
非製造業では、前回まで2回連続で対象の全社が景気が悪いと答えてマイナス100が2回連続した「宿泊・飲食サービス」の景況感がマイナス66と34ポイント改善。政府が個人消費を喚起する「Go To トラベル」「Go To イート」といったキャンペーンが景気を下支えしたのが浮き彫りになった。このほか経済活動の再開で「卸売」「小売」の景況感も改善が目立った。
ただ、業況判断DIの数カ月後を予想する「先行き」が全産業でマイナス22と、今回の「最近」に比べて3ポイント悪化する見通しだ。設備投資の抑制などを背景に「はん用機械」の景況感が大きく悪化する見通しになった。2020年度の業績見通しを見ても、経常利益は35%減の見通し。前回調査時と比べて改善したとはいえ、改善幅は0.9ポイントにとどまる。先行きについては必ずしも楽観的ではないようだ。
加えて調査期間のうち、多くの回答は11月中に回収を済ませていた。このため足元の感染拡大、いわゆる「第3波」の影響は限定的という。記者会見した長江敬支店長は、感染対策の影響で経済活動が制約を受ける中、「第3波は景気の下押し要因になるため、回復傾向が継続するか注視したい」と強調した。記者会見の内容は終了後に日銀神戸支店が明らかにした。
同時に日銀は12月の金融経済概況も発表。兵庫県の景気については「新型コロナウイルス感染症の影響により、厳しい状況にあるが、徐々に持ち直している」との見方を据え置いた。前月までは3カ月連続で、景気判断を引き上げていた。
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