11月の神戸港、輸出入総額は前年比11.6%減 輸送需要の逼迫が影響か

20201217貿易統計

 神戸税関が16日に発表した11月の貿易統計(速報)によると、神戸港を通じた輸出入総額は前年同月比11.6%減の6358億円だった。地域別では輸出入とも対中国・東南アジア(ASEAN)が大幅に減少した。足元では中国発米国向けの輸送需要が急増した影響で、日本とアジアの間ではコンテナが不足などが発生。このため海上コンテナ運賃が急騰するなど、輸送需要の逼迫状態が統計に表れた可能性がある。円相場の上昇も輸出額の減少につながったとみられる。

 輸出額は神戸港全体で前年同月比9.6%減の3992億円だった。主要地域別では中国向けが13.3%減の1020億円、ASEAN向けが11.0%減の785億円、米国向けが3.7%減の624億円、欧州連合(EU)向けが8.9%減の380億円。主な品目別では、リチウムイオン電池の材料など「無機化合物」や「織物用糸および繊維製品」「荷役機械」などが減った。半面、欧米向けの「建設用・鉱山用機械」の増加が目立ったほか、中国向けの「精油・香料および化粧品類」は11月としての過去最高を記録。「非鉄金属」も中国向けが多く11月としての最高を更新した。

 輸入額は前年同月比14.8%減の2366億円になった。中国からが2.8%減の689億円、ASEANからは12.8%減の454億円、米国からは18.2%減の228億円、EUからは24.3%減の463億円だった。品目別では「医薬品」「輸送用機器」「無機化合物」などの輸入が減少。半面、「絶縁電線および絶縁ケーブル」「加熱用・冷却用機器」「音響・映像機器(部品含む)」の輸入が増加した。

 11月の平均為替レートは1ドル=104円68銭と、前年同月に比べ4円08銭の円高・ドル安だった。全国の輸出入総額に占める神戸港のシェアは、前月比0.3%低下の5.4%になった。

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