兵庫県、新型コロナ「増加期」入り 外出自粛など緩やかに強化・知事記者会見

20200723井戸知事会見

 兵庫県は23日夕方、新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開き、「感染増加期」に入ったことに伴う対策を決めた。引き続き東京など、人口密集地や感染が再拡大している地域への不要不急の往来を要請する。このほか、高齢者や基礎疾患のある人に、不要不急の外出を自粛する要請を追加するなど、住民に対する行動規制を緩やかに強化した。企業や店舗に対しては感染予防のガイドラインを守ることや、「兵庫県新型コロナ追跡システム」の活用など従来通りの協力要請にとどめた。

 この日の兵庫県では新型コロナの新規感染者数が35人と、過去3番目の高水準になった。新規感染者数の7日移動平均は20.3人と、20人の節目を超えたことで、いわゆる入り口戦略での「感染増加期」に該当。今後に備えて確保する病床数などを増やす準備を始めることを、あらかじめ決めていた。病床の確保などは計画通り実施するが、対策本部会議の終了後に記者会見した兵庫県の井戸敏三知事(写真=兵庫県が配信した動画より)は、足元の感染者数の増加について「しっかり濃厚接触者の範囲を確定して、フォローしている証し」として、急速な感染拡大ではないとの認識を示した。

 このため「増加期を迎えたが、相当程度(対策を)し得ているのではないか」と井戸氏は説明した。すでに兵庫県は、東京など感染が再拡大している地域への不要不急の往来は自粛を要請。企業や店舗には感染予防ガイドラインの徹底も求めている。高齢者や基礎疾患を持つ人には、より注意深く行動するよう求めたとはいえ、それ以外の一般向けの呼びかけに大きな変化はない。かねて在宅勤務(テレワーク)などを徹底するよう求めてきたが、これも数値目標などを新たに追加することはなかった。

 緊急事態宣言に伴って実施した休業要請など、これまで幅広い事業者に影響が出る対策を実施したが、井戸氏は「効果と(経済活動などの)犠牲との関係で見てみると、あまりにも規制の効果に対して犠牲の方が大きすぎるのではないかというのが、現時点での総括評価ではないか」と指摘。兵庫県は引き続き「ガイドラインを順守していない接触を伴う飲食店」などに絞って利用の自粛を要請しているが、「社会生活や経済活動を犠牲にして一律的な規制をしても、(一部に絞った)重点的な規制と(結果が)変わらないのではないか」という。

 今回の感染増加期入りに伴って発表した対策について、井戸氏は「いままでの声明よりも県の考え方を鮮明に打ち出した」と強調していた。市中感染とみられる感染者が見当たらない中で、政府が緊急事態の宣言中に掲げていた「接触機会の8割低減、通勤者7割削減」といった数値目標が、「効果があるかどうか分からない目標」という。感染者数の7日移動平均が30人を超えると「感染拡大期1」として緊急事態宣言中と同等の対処になるとの方針を従来は決めていたが、井戸氏は「シナリオの変更を検討する」と話していた。

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