神戸市、スタートアップ支援でエンジニアも育成へ 21年度予算案より
- 2021/02/19
- 02:43
神戸市は2021年度予算案に、スタートアップ(起業家)支援関連の予算として8700万円を計上した。米ベンチャーキャピタルの「500 Startups(ファイブハンドレッドスタートアップス)」と連携する起業家育成プログラムを引き続き21年度も実施するほか、神戸市が適時適切なスタートアップ支援を繰り出せる体制を強化する。加えて、将来的に人手不足が心配されているエンジニアの育成にも乗り出す。総じて神戸市での企業数の増加や、神戸市が支援するスタートアップの増加・育成といった事業効果を見込む。
500スタートアップスと連携して展開する育成プログラムは、21年度もオンライン講座を想定する。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて集まることができない以上に、世界中から参加しやすいというメリットを重視。一段と幅広い地域から、神戸への関心を獲得したい考えだ。一方で、面談を通じてスタートアップの相談に乗る「メンター」を選定し、幅広いスタートアップが育成プログラムとは別に経営などに関する助言を得やすい仕組みを作る。
エンジニアの育成は3つのプログラムを想定。まずはプログラマーをめざす高校生や高専生向けに、先輩エンジニアや同世代の仲間との交流会を開く「プログラミングサロン」。加えて、本格的に海外でプログラミングを学ぶ際に受講料などの4分の3を補助する「グローバル・エンジニア育成補助」。さらに企業とエンジニア志望者をつなぐ「インターンマッチングイベント」だ。神戸にエンジニアの居場所を作ることが、スタートアップのサービス開発にも好環境になると判断した。
こうした神戸市によるスタートアップ支援の関連情報をすべて掲載する総合情報サイトも構築をめざす。サイトではスタートアップ各社に会員登録などを求め、スタートアップ支援の需要も探ることで施策を効率化したり、精度を高めたりするのにも使う。神戸市のスタートアップ以外の事業や、神戸市内のコワーキング(共有)オフィス情報など、周辺の情報も掲載してさまざまな関係者をつなぐ役割もはたす。
さらに医療・ライフサイエンス系のスタートアップ育成拠点である「スタートアップ・クリエイティブラボ(SCL)」を活用したスタートアップ支援策も展開を予定する。各種の育成プログラムや、実用性の検証などを支援する「神戸ライフサイエンスギャップファンド」などとの連携も模索し、優良なスタートアップの神戸定着などをめざす。これらとは別に、スタートアップ企業やベンチャー企業と行政が共同で行政の課題に取り組む「Urban Innovation Kobe(アーバンイノベーション神戸)」も引き続き実施する計画だ。
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