血液がん治療薬「キムリア」、神戸医療産業都市で製造 アジア初・11月から

20190627推進機構

 スイス製薬大手ノバルティスが開発した、白血病などの血液がん治療薬「キムリア」を、11月から神戸医療産業都市推進機構(神戸市中央区、写真=資料)の細胞療法研究開発センターがアジア地域で初めて製造する。このほど厚生労働省の承認を得たと推進機構が30日に発表した。日本向けの市販品はこれまで米国で生産されてきたが、国内にも製造拠点ができることで、より安定的にキムリアを提供する体制が整う。

 キムリアは、患者自身の免疫細胞「T細胞」に、遺伝子操作の技術を駆使して特定のがん細胞を攻撃する機能を付加した「CAR-T(カーティー)細胞」を利用する医薬品だ。国内では昨年3月にノバルティスの日本法人が、CAR-T型の医薬品として初めて厚労省に製造販売商品を受けた。日本での薬価は3349万円だが、CAR-T細胞は患者の血液中で増殖することから、投与は1回で済むとされる。

 推進機構はノバルティスから2019年1月に「キムリア」の製造技術移転を受け、治験製品を製造してきた。市販品の製造を始めることで、国内でも世界最先端の遺伝子細胞治療製品の製造技術が定着。今後の国内の細胞製造技術の進展や人材育成への寄与が見込まれる。加えて神戸医療産業都市に細胞の輸送、検査、保管、専門人材の派遣といった、関連する事業の新たな集積などにもつなげたい考えだ。

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