神戸市、「スマート自治体」志向を鮮明 次期の行財政改革方針で明記へ

20200729行財政有識者懇

 神戸市は9月にも決定する2025年度が最終年度の次期「行財政改革方針」で、IT(情報技術)を活用して人口減少時代でも質の高い住民サービスを効率的に提供する「スマート自治体」をめざす姿勢を鮮明にする。高齢者人口がピークを迎え労働力不足が深刻化する「2040年問題」への対応策として、スマート自治体を志向すると位置付ける。28日の有識者懇談会(写真)で提示した次期方針の「素案」には、スマート自治体の実現に向けて25年度までに重点的に取り組む課題や数値目標などを盛り込んだ。

 有識者懇談会の冒頭であいさつした久元喜造市長は、新型コロナウイルス対策の財源として国は赤字国債を発行し、神戸市も事業見直しや財政調整基金の取り崩しを迫られたことなどから、「新型コロナ対策で行財政改革の重要性がさらに高まっている」と指摘した。ただ1995年の阪神淡路大震災の発生以降に神戸市が進めた、一方的な職員数の削減による財政再建は限界で、「従来とは違うやり方で行財政改革に取り組んでいかなければならない」と強調した。

 組織面では、局、室、区といった部署ごとの経営体制を強化。局長、室長、区長のリーダーシップを発揮しやすくして、それぞれの現場に応じて経営資源や運営体制を最適化する。一方で人事制度やITスキルの向上などは、全部署で横断的に取り組む。25年度の数値目標としては、現状で292億円と見込まれる21〜25年度の累積収支不足をゼロにするほか、事務見直しによる職員数750人削減、申請や届け出などの手続きをウェブ上で完結する「スマート化」による区役所来庁者数の40%削減、手続きのスマート化率70%の達成、働き方改革の浸透度を毎年度向上させることの5つを盛り込んだ。

 この日の懇談会に出席した有識者からは、素案に対する方向性に異論は出なかった。ただ「もう少し夢や理想像を描いたほうがよいのではないか」「ワークライフバランスにも言及してはどうか」「3年程度の中間的な目標も設定したほうがよい」といった声が出ていた。神戸市は今回の懇談会をふまえて8月にも「行財政改革方針2025」の案を公表。一般からの意見募集を実施したうえで、9月に神戸市議会の総務財政委員会で報告して方針を決定する計画だ。

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