中央卸売市場の法改正対応、改正条例で卸売・仲卸を定義へ 業務運営協議会

 神戸市が7日に開催した中央卸売市場の業務運営協議会では、神戸市が2020年6月に施行される卸売市場法の改正に向けた中央卸売市場に関する条例改正の概略を提示した。改正条例では卸売業者と仲卸業者を定義し、それぞれ「市場の活性化に努めなければならない」と努力義務を課す。法改正で取引のルールなどは市場ごとに決められるようになるが、神戸市が開設する中央卸売市場では引き続き卸売業者と仲卸業者の取引が中心になることを示した。出席者らは神戸市の説明をおおむね了承した。

 条例には卸売業者が市場に供給する商品を取引する方法として「せり売り、もしくは入札の方法、または相対取引」として、多様な売買のケースに対応できるようにする。市場に現物を持ち込んだ商品についてだけ市場での売買約定を認める「商物一致の原則」に関する条文なども廃止し、物流の効率化などにも対応する。一方で、卸売業者が仲卸業者や売買参加者以外のいわゆる「第三者販売」する場合や、仲卸業者が神戸市の中央卸売市場の卸売業者以外から商品を仕入れる「直荷引き」については、特段の規制を設けないが、報告を義務化して取引の実態を明らかにする。

 神戸市は12月にも条例改正に関する意見募集(パブリックコメント)を実施し、条例の改正案について詳細を詰める。20年2月の市議会に提出し、20年6月の法改正と同時に施行したい考えだ。

 協議会に出席した仲卸業者からは「国産の商品は依然として約8割が卸売市場を経由していることもあり、需要家の動向を迅速に伝えるなど卸売業者と連携を深め、市場の機能を充実させたい」といった声が出ていた。卸売業者からは「生産者には安定的な出荷先と認識してもらうことで、引き続き生鮮品の安定供給に努めたい」との声も出た。一方、小売業者は「市場を商品で満たしてほしい」と発言。制度改正をきっかけとした、多様化する消費者の需要へのさらなる対応や、割高感の解消などに向けて期待した。

 業務運営協議会は神戸大学大学院農学研究科の小野雅之教授が会長を務め、消費者、生産者、小売団体、市場業界の代表者らで構成する。

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