(解説)神戸空港に国際線は来る? 関空21日に通常ダイヤも「本格運用」まだ

20180917神戸空港滑走路

 神戸空港に国際線の臨時便は設定されるのだろうか。台風21号の被害で一時閉鎖した関西国際空港は、21日には通常ダイヤに復帰する見通しだ。ただ、大阪国際(伊丹)空港で国際線を含む1日20往復(40発着回)、神戸空港で同15往復(30発着回)を受け入れる「枠」は継続する。通常の伊丹・神戸両空港の発着枠から合計70発着回を増枠する体制は「本格運用」の再開までという。では「本格運用」とは何なのか。(上の写真は神戸空港の滑走を走る航空機=資料)

 「本格運用」の定義が何なのか、実は関係者の間でも、はっきりとは決まっていないようだ。ただ、ダイヤを元に戻す21日時点でも、関空の空港機能が元通りではないとの指摘は多い。最も目立つものでは連絡橋だろう。自動車が走る部分は当面、従来の半分の車線数で対面通行するしかない。このほか、空港内で航空機の整備や誘導のに関わる特殊車両なども多くが高潮で浸水。使えなくなった機材もある。こうした状況が続く限り、ダイヤは元に戻っても「本格運用」ではないという見方が大勢だ。

 一方で、国内線でも国際線でも、関西国際空港を目掛けて飛んできた航空機が、特殊車両が足りないからといって突然に、伊丹や神戸に着陸する空港を変更できるわけではない。それもあって、関西国際空港の負荷を減らすとすれば、朝夕のラッシュ時などに東京の羽田空港発で関空着といった比較的便数の多い路線の一部を、やはりラッシュ時に混雑する伊丹を避けて、空いている神戸に行き先を変えるといった計画を立てるのが常識的だろう。(下の写真は神戸空港で出発を待つ航空機=資料)

20180917神戸空港スカイマーク機

 全日空は関空で減便中の16〜17日に、羽田から神戸に向けて各日1往復(2便)ずつ、臨時便を運航した。こうした流れを延長する形で、神戸空港には国内線の臨時便が出る可能性はあるとの見方が一部で聞かれた。国際線については、神戸空港の滑走路が2500メートルと相対的に短いことや、税関や出入国管理、検疫などの人員配置に、改めて国がコストをかけるべきかという問題も残るとの指摘があった。

 従って関西国際空港の機能代替という形で、神戸空港に国際線の臨時便が到着する可能性は低いといえそうだ。関西エアポートによると、現時点で伊丹や神戸に臨時便を飛ばしたいという要請も、航空会社から受けていないという。ただ、今回の事態を教訓にして、危機管理の観点から伊丹や神戸に国際線の一部を振り分けようという議論が盛り上がる展開はありうる。その際は、神戸空港にとって主力航空会社のスカイマークが来年から計画しているサイパン・パラオ便の就航に間に合うか、というのが目先の焦点になるのではないか。(神戸経済ニュース 山本学)

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