イニエスタ効果どう生かす、動員増で波及効果も 楽天ヴィッセルの森井取締役

20180830ヴィッセル森井氏

 サッカーJ1のヴィッセル神戸を運営する楽天ヴィッセル神戸(神戸市中央区)の森井誠之取締役(顔写真)は30日、神戸市内で講演。昨年まで所属した東北楽天ゴールデンイーグルスでの経験から、「観客動員が増えれば、経済(波及)効果も上がって行く」との見通しを語った。さらに「みんなで稼ぐことを、街を上げて考えていくことが大事だと思う」と話し、元スペイン代表で世界的に有名なアンドレス・イニエスタ選手の加盟によってチームへの注目度が高まったり、ファンが増えた効果などをどう生かすかが課題だと強調した。

 森井氏は、親会社である楽天の三木谷浩史会長兼社長がイニエスタ選手の獲得を「プロジェクト」と位置付けたことを紹介。選手としての活躍を期待するばかりでなく、ジュニア選手を指導する体制整備などのチームの仕組みづくりに加え、イニエスタ選手の肖像権を使った事業も契約に含まれていると説明した。イニエスタ選手による交流サイト(SNS)のインスタグラムには全世界に約2500万人のフォロワーがいることから、同選手にも「神戸をアピールする『街との一体化』をやってもらいたい」と話した。(次の写真はノエビアスタジアム神戸=資料)

20180525ノエスタ神戸

 一方、イニエスタ選手の影響で試合の観客動員数が急増。当面はホームグラウンドのノエビアスタジアム神戸(神戸市兵庫区)の試合で、2万6000人の動員があると見込んでいるという。従来は1万8000〜2万人を念頭に試合に関するイベントなどを企画してきた。このため現時点で動線やゴミ対策など観客への対応が十分でないという。イニエスタ選手の関連グッズは加入発表から3カ月間で1億円を売り上げたが、相次いで製品を投入してもすぐに完売。「Tシャツに(背番号の)8と書けば売れる状態」(森井氏)だが、供給不足のため需要を取り逃がしている可能性があると言及した。

 楽天ヴィッセル神戸は昨年12月に、今年4月からノエビアスタジアム神戸の管理運営会社になることが決まった。これを機に、今年1月から組織やチームの改革に乗り出していた。スタジアム運営とともにチームを強化するなかで、ヴィッセル神戸がめざす「パス回しを重視するサッカー」に合致するイニエスタ選手の獲得に動くことになったという。イニエスタ選手が所属するチームの本拠地として知名度が向上する効果なども活用しながら、従来は年30日程度しか稼働していなかったノエスタ神戸の稼働率も高めるため、コンサートの開催なども模索している。

 森井氏は、神戸商工会議所の創立140周年記念事業の一環で、同会議所中央支部の会員向けに講演した。講演会には約80人が参加。講演終了後には交流会を開き、森井氏も参加した。

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