神戸市、神戸製鋼の石炭火力向け排ガス規制を強化 神戸3、4号機新設で再協定
- 2018/08/30
- 19:19
神戸市と神戸製鋼所は30日、神戸製鋼の子会社が神戸製鉄所(神戸市灘区)の高炉跡地で運営する4機の石炭火力発電所について、環境保全協定を同日付で結んだと発表した。既存の発電施設2機に加えて、新たに2機の建設を進めるのを機に、1998年12月以来の再協定とした。排ガスに含まれるばい煙の総排出量について協定値を引き下げるなど、神戸市は発電所に対する環境規制を強化。既存の2機にも環境性能の向上を求める内容になった。
神戸製鋼は昨年10月いっぱいで神戸製鉄所の高炉を停止し、今年にかけて撤去。今後は、環境影響評価(アセス)が終了した、神戸発電所3、4号機を2022年度にかけて建設する。神戸市と神戸製鋼は高炉の停止などもふまえ、環境保全協定に関する協議を続けてきた結果、1号機と2号機が排出するばい煙の協定値を引き下げ、3号機と4号機はさらに低い協定値にすることで合意した。加えて、今回新たに排ガス中の水銀濃度を細かく管理することや、温暖化対策として下水汚泥燃料を有効活用した水素製造なども協定に盛り込んだ。
高炉など製鉄の設備がなくなったのを受けて、事業場として「ばい煙」の年間総排出量を、窒素酸化物でみて1500トンから最終的に1457トンへの引き下げる。最大排出濃度は窒素酸化物でみて、既設の1、2号機を各24ppmとしていたのを、最終的には1、2号機で19ppm、新設の3、4号機で15ppmとした。排ガス処理装置の運転管理技術などが向上したことで、既設の発電所の規制数値を引き下げた。環境性能が向上した新しい発電施設は新たに低い数値を設定した。
さらに新たに排ガス中の水銀濃度を監視の対象に加える。排水については従来、化学的酸素要求量と浮遊物質量だけにあった協定値に加え、窒素含有量とリン含有量の協定値を追加した。
既設の1号機では3月に、排ガス中のばいじん濃度が協定値を上回り、発電を停止。神戸市と神戸製鋼は公表までに3週間かけて批判を受けた。これを受けて、協定値を上回るばい煙を排出した場合などに、その事実を速やかに公表することも今回の協定で定めた。神戸製鋼は、ばい煙の年間総排出量や管理目標などが達成できるか、3カ月ごとに報告することも決めた。
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