川重、今期最終益150億円に下方修正 中国の船舶関連会社が収益悪化

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【神戸経済ニュース】川崎重工業(7012)は9日、2022年3月期の連結最終損益が150億円の黒字(前期は193億円の赤字)になる見通しだと発表した。従来予想の190億円の黒字から下方修正し、黒字幅が縮小する。中国の関連会社の収益が悪化し、持ち分法による投資損失が発生する。ただ税金費用の減少が見込まれ、持ち分法による投資損失の計上額よりも、最終黒字の下振れ幅は小さくなるとみている。

 売上高は前期比4%増の1兆5500億円、営業損益は400億円の黒字(前期は53億円の赤字)を見込む。売上高は1兆5300億円の従来予想から上方修正。営業損益は据え置いた。事業分野(セグメント)別で見て、モーターサイクル&エンジンは、欧米で2輪車、北米で4輪車の需要が旺盛で、収益見通しを上方修正。建設機械、油圧機器、半導体向けなど各種ロボットの販売増で「精密機器・ロボット」も好調が続く。半面、「航空宇宙システム」は米ボーイング向けの需要減少で収益見通しを引き下げた。

 持ち分法による投資損失は、中国で現地企業との合弁会社である造船会社で発生。鋼材価格の上昇などを受けて収益が悪化した。持ち分法による投資損失は、4〜9月期にすでに70億円を計上している。前年同期は5億9000万円の持ち分法による投資利益を計上していた。業績予想の前提になる為替レートは、4〜9月期の実績が対ドルで110円24銭、10月以降の想定が112円とした。従来予想の想定は年平均109円だった。

20211109川重セグメント

 同時に発表した2021年4〜9月期の連結決算は、最終損益が45億円の黒字(前年同期は272億円の赤字)だった。7〜9月の業績でみると、中国での持ち分法による投資損失などを受けて4〜6月に比べて悪化した。売上高は前年同期比4%増の6810億円、営業損益は204億円の黒字(前年同期は218億円の赤字)だった。中間配当は予定通り20円。年間では30円とする配当計画は据え置いた。

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