川重、鉄道・2輪車を来期分社化 橋本社長「来年の赤字は100%ない」
- 2020/11/03
- 00:40
川崎重工業は2日、2021年10月に鉄道車両事業と2輪車事業の分社化などを柱とした事業方針を発表した。21年4月には船舶海洋とエネルギー・環境プラントの事業を統合する。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、稼ぎ頭だった航空機事業が当面、利益を出せない環境にある中で、その他の事業の意思決定を早めた機動的な経営で利益の確保をねらう。同時に、水素エネルギーの普及に向けた事業・技術開発を強化する。
鉄道車両「車両事業」と2輪車「モーターサイクル&エンジン」の分社化について、2日に開いた事業方針説明会で橋本康彦社長(写真=川重が配信した動画より)は「自立経営することと、外部の資本も入れやすくする」と説明。加えて「業界の横のつながりが、新たな事業機会につながる」と述べ、同業他社との連携や、業界活動による存在感の向上なども意識する。
両部門とも21年3月期は赤字を見込むが、すでに車両は自主再建にめどが付きつつある。2輪車も密を避ける娯楽として、米欧ではむしろ新型コロナが追い風になった面がある。分社した後も、新会社のトップは川重本体の役員も兼務し、あくまで川重の1部門としての位置づけは維持する方針も強調した。
新型コロナが逆風になった航空機事業「航空宇宙システム」では、配置転換や派遣社員の契約期間満了で部門の1割に当たる600人を減らす。立ち直るまで数年はかかるとみられる航空機を抱えても、他部門の採算改善で橋本社長は「来年度の赤字は100%ない」と自信を見せる。まずは復配、さらに営業利益で5~8%をコンスタントに稼ぎ出せる体制を早期にめざす。
2050年の世界の水素市場は2兆5000億ドル規模との予測もある。一方で同社は水素の生産、輸送、貯蔵、活用と一貫した技術を持つ「世界で唯一の企業」(橋本氏)という。この強みを生かして同事業の売上高が30年に1200億円、40年に3000億円といった規模になると予想している。移動手段の変化や、ロボットを使った遠隔技術の普及などと合わせて将来の収益の柱の1つにする考えだ。
▽関連記事
- 関連記事
-
- さくらKCS、名古屋市に新営業拠点 製造業向けに販売強化へ (2020/11/05)
- 王子動物園のパンダ「タンタン」切手にも登場 神戸市内の郵便局で9日から (2020/11/04)
- 川重、鉄道・2輪車を来期分社化 橋本社長「来年の赤字は100%ない」 (2020/11/03)
- 神戸阪急、10月の売上高8.8%減 新型コロナでファッション退店相次ぐ (2020/11/02)
- 大丸神戸店、10月の売上高17.2%増 13カ月ぶり増・前年に駆け込みの反動減で (2020/11/02)
広告
chevron_left
家次神商会頭「連携の悪さ、いまの兵庫・神戸にはない」 大阪都構想は否決 home
(動画)コロナ後で初の客船クルーズ「にっぽん丸」神戸出航 消防艇カラー放水
chevron_right