川重の2輪子会社、31年3月期の売上高1兆円目標 北米事業伸び今期比2.4倍に

20210901川重オフロード4輪

【神戸経済ニュース】川崎重工業(7012)が2輪車など「モーターサイクル&エンジン」部門を分社化して10月1日付で発足した完全子会社のカワサキモータースは、2031年3月期に1兆円の売上高をめざす。22年3月期予想(4100億円)から、2.4倍になる。営業利益率は31年3月期で8%以上(今期予想は6.1%)に引き上げたい考えだ。川重のグループ内で唯一、消費者に直接製品を販売する「BtoC」部門の意思決定を分社化によって迅速化し、持続的な成長を加速させる。(写真は同社が北米向けに製造するオフロード4輪車=川重提供)

 6日にカワサキモータースの事業方針説明会を開き、社長に就任した伊藤浩氏が説明した。同社が成長する原動力は北米での事業拡大になるという。このところ米国で屋外レジャーとして人気が高まっているオフロード4輪車は、総額300億円を投入して米国工場を増強、メキシコ工場を新設する計画だ。さらに乗用の大型芝刈り機にエンジンを供給する事業も、大幅な伸びが予想されるという。オフロード4輪の市場規模は足元の7000億円程度が30年ごろには2兆円程度に、乗用芝刈り機は約7000億円が1兆円程度にそれぞれ拡大すると想定。ただ31年3月期に想定している市場シェアなどについては、明らかにしなかった。

 一方で2輪車のハイブリッド化や電動(EV)化に向けた研究開発も進める。2035年までに日本を含む先進国向け主要機種の電動化を完了させる。二酸化炭素(CO2)排出量をゼロに抑えるカーボンニュートラルの観点では、川重本体の水素関連部署と連携して水素エンジンの開発も進める計画だ。「ガソリンエンジンと同程度の重量になる」(伊藤社長)ことから、水素エンジンを積極的に活用したい考えだ。オフロード4輪も電動車の開発を進める。こうした研究開発費を積極的に投入する一方で、可能な限り固定費を抑えて営業利益率を現在よりも高める方針だ。

 説明会の冒頭に川重の橋本康彦社長があいさつし、カワサキモータースの事業は分社後も「世界レベルで川崎グループのブランドをリードする、重要な事業であるという認識に変わりはない」と話した。川重が長期計画で掲げる「安心安全リモート社会」「近未来モビリティ(人・モノの移動を変革)」「エネルギー・環境ソリューション」のいずれの面でも、「カワサキモータースがはたす役割は大きく、当社グループのシナジー(相乗効果)によるコングロマリット・プレミアム(複合企業であることに起因する企業価値の向上)の実現に欠かせない存在」と強調した。

(訂正)第2段落に「オフロード4輪、乗用芝刈り機とも市場規模は、それぞれ足元の7000億円程度から30年には2兆円程度に拡大すると想定」とありましたが、「オフロード4輪の市場規模は足元の7000億円程度が30年ごろには2兆円程度に、乗用芝刈り機は約7000億円が1兆円程度にそれぞれ拡大すると想定」に訂正しました。川重が数値を訂正したためです。(2021/10/11)

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