川重、今期最終黒字170億円に 航空と鉄道が改善で2期ぶり黒字
- 2021/05/11
- 12:30
川崎重工業(7012)は11日、2022年3月期の連結最終損益が170億円の黒字(前期は193億円の赤字)になりそうだと発表した。前期に大幅な赤字を計上した航空機と鉄道車両の部門で収益が大幅に改善する見込み。北米ではオフロード車に需要が続き、2輪車需要も回復することで、オートバイの部門も増収増益の予想。総じて新型コロナウイルスの感染拡大による影響が縮小するのを背景に、収益が改善する。坂出工場での新規取得した固定資産の減損損失を特別損失に計上するが、2期ぶりの最終黒字を確保する
売上高は1%増の1兆5000億円、営業損益は300億円の黒字(前期は53億円の赤字)を見込む。航空機の部門(セグメント)である「航空宇宙システム」は赤字が続く見通しだが、主として運航時間の回復で、民間機向け航空エンジンの採算改善が寄与して赤字幅は大きく縮小するという。鉄道車両の「車両」セグメントは北米向けを中心に増収になる上、前期に受けた新型コロナの影響による採算悪化もなくなり5期ぶりに黒字化。オートバイなどの「モーターサイクル&エンジン」は20年春にロックダウン(都市封鎖)の影響を受けたが、その後は20年3月期並みに回復している。
売上高は収益認識の新基準適用に伴い、1000億円のマイナス影響を受ける。為替レートは1ドル=106円を想定した。21年3月期の平均為替レートは1ドル=109円29銭だった。年間配当は期末に30円を予定。2期ぶりに復配する。
同時に発表した2021年3月期の連結決算は、最終損益が193億円の赤字(前の期は186億円の黒字)だった。需要が後退していた航空宇宙システムやかねて不採算の船舶海洋などの赤字計上が響いた。坂出工場の減損損失を特別損失に計上したほか、繰り延べ税金資産を一部取り崩したのも響いた。売上高は前の期比9%減の1兆4884億円、営業損益は53億円の赤字(前の期は620億円の黒字)になった。
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