関西エアポートの前期、最終赤字345億円 減便などで神戸空港の赤字2億円
- 2021/06/04
- 01:25
関西国際空港、大阪国際(伊丹)空港に加え、子会社を通じて神戸空港を運営する関西エアポートが3日に発表した2021年3月期(20年度)の連結決算は、最終損益が345億円の赤字(前年同期は335億円の黒字)だった。同社による空港運営開始後で初の赤字。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で、国際線が軒並み運休、国内線も減便が相次ぎ、大幅な減収になったのが響いた。特に国際線旅客数は前の期の1%に満たない厳しい状況だった。
売上高に相当する営業収益は前年同期比73%減の572億円、営業損益は428億円の赤字(前年同期は524億円の黒字)になった。3空港で合計した航空機の発着回数は56%減の16万2000回、航空旅客数は81%減の928万人と大幅に落ち込んだ。このうち国内旅客数は3空港合計で約65%減だった。緊急事態宣言の解除や政府の観光促進策「Go To トラベル」で需要が回復する場面もあったが、補えなかった。半面、旅客便の運休による貨物スペースの減少を受けて、貨物便は増加。旅客機を使った貨物専用便も増えた。
テレビ会議システムを通じて記者会見した関西エアポートの山谷佳之社長(写真=関西エアポート提供)は、16年4月に空港運営を始めてから5年の業績を「4勝1敗」と表現。「1敗」に相当する前期は初の赤字で「大敗」だったが、それでも運営開始当初に500億円台だった自己資本は754億円に増えた計算だ。仮に同じ状況が「あと1年続いたとしても(財務の健全性は)大丈夫」と山谷社長は話していた。
連結決算の内訳として開示した神戸空港の運営会社である関西エアポート神戸の業績は、最終損益が2億円の赤字(前の期は2億円の黒字)だった。20年3月の青森、同10月の下地島、21年3月の花巻と新規の路線開設が相次いだが、新型コロナの影響で既存便の減便や運休が響いた。営業収益は36%減の18億円になった。
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