農業スタートアップのサグリが1.55億円を調達 県市共同ファンド投資第1号に
- 2021/06/02
- 16:44
衛星データを解析して農業に関する課題解決をめざすサグリ(丹波市)は2日、ベンチャーキャピタルなどから1億5500万円を資金調達したと発表した。このうち兵庫県と神戸市などが共同で出資したスタートアップ企業に投資する「ひょうご神戸スタートアップファンド(ひょうご神戸スタートアップ投資事業有限責任組合)」からも1000万円の資金を獲得。今年3月に運用を開始した同ファンドの投資先として第1号になった。
同社は、判明している耕作放棄地のデータを衛星データを合わせ、機械学習によってすべての耕作放棄地の把握をめざすアプリ「ACTABA(アクタバ)」を展開。自治体などとの契約を進めている。このほか衛星データをAI(人工知能)で解析して農地を区画化し、農地管理の効率化をめざす「AIポリゴン」や、衛星データから農地に含まれる炭素と窒素の状況を推定して施肥や収量予測に活用する「衛星データから土壌を推定する技術」を開発する。
神戸市内で記者会見したサグリの坪井俊輔社長(写真)によると、調達した1億5500万円のうち約半分は、投資会社リアルテックジャパン(東京都墨田区)が運営するファンド、残りはそれぞれ、みなと銀行、池田泉州銀行、広島銀行の傘下にあるベンチャーキャピタルから調達した。調達した資金はアプリ「ACTABA」の営業関連費用、AIポリゴンと「衛星から土壌を推定」の開発要員の採用などに充てる。坪井社長によると1年半から2年程度の資金になるという。
2018年に、神戸市と米有力ベンチャーキャピタルの500スタートアップスが共同で展開するスタートアップ育成プログラム「500 Kobe Accelerator(500神戸アクセラレーター)」に参加した。現在の売上高は1億円強。2026〜27年ごろの株式上場が目標だ。坪井氏は株式公開時点で「時価総額100億円を目指したい」と意気込む。
坪井氏は1994年生まれの26歳で、横浜国立大学(横浜市保土ヶ谷区)の現役の学生だ。新型コロナウイルスの影響で授業がオンラインに切り替わり、本社のある丹波市からも授業に出席できるようになった。6年目の今年度で卒業を見込み、先輩起業家に「リスク要因」と冗談混じりで指摘された社長の大学中退を回避する。
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