神戸製鋼、今期最終赤字350億円に 自動車など需要減・中間配は見送り

20200806神戸鋼決算

 神戸製鋼所は6日、2021年3月期の連結最終損益が350億円の赤字(前年同期は680億円の赤字)になりそうだと発表した。自動車向けの鉄鋼やアルミ素材のほか、航空機向けのアルミ・チタン部品などが低迷し、2期連続の最終赤字になる見通しだ。ただ前期に特別損失として計上した減損損失がなくなるほか、遊休土地やグループ会社株式などの売却で赤字幅は前期比で縮小する。これまで同社は新型コロナウイルスの影響が見極めにくいとして、今期の予想を開示していなかった。

 売上高は前期比12%減の1兆6400億円、営業損益は350億円の赤字(前期は98億円の黒字)を見込む。同社が通期の営業赤字を計上するのは、連結決算の公表を開始して以来初めてという。日系の自動車メーカーの生産台数は4〜6月期を底に回復するとみるが、年間で前期比2割の減少を想定。航空機は旅客需要の減少を背景に、今後数年間は市場が低迷するとみる。

 事業分野(セグメント)別では「鉄鋼アルミ」「素形材」への影響が大きいが、自動車生産を中心とした経済活動の停滞で総じて需要は伸び悩み、損失が計上する見通し。半面、19年10月に真岡発電所1号機、20年3月に同2号機が稼働した「電力」の収益は拡大する。

20200806神戸鋼セグメント

 年間配当計画は引き続き未定とした。ただ足元の業績や、現金を厚めに保持する目的などで中間配当は前期に続き見送る。前期は年間を通じて無配としていた。

 同時に発表した2020年4〜6月期の連結決算は、最終損益が131億円の赤字(前年同期は11億円の赤字)になった。固定資産売却益など特別損失160億円を計上したが、鉄鋼アルミや素形材の赤字などを補えなかった。売上高は前年同期比19%減の3741億円、営業損益は198億円の赤字(前年同期は27億円の黒字)だった。

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