「正しく恐れる」ために必要な情報とは・畑山京大教授 078KOBE Onlineより

20200503正しく恐れる

 京都大学防災研究所の畑山満則教授は3日、オンラインイベント「078KOBE Online」の一環で開催したトークイベント「『正しく恐れる』って難しい – インフォデミックを起こさないために私たちが出来ること」に出演した(写真右下=078KOBEが配信した動画より)。畑山教授は、「正しく恐れる」ためには「現象」「地域特性」「対策」の3つを知ることを通じて、個人が自ら情報を見極められるようになることが必要だと強調した。

 1995年に発生した阪神淡路大震災のころは現地も被災地外も、災害の全体を把握するための情報が足りないと感じていた。だが、スマートフォンの普及によって、もはや「情報があふれている状態になった」と指摘する。そうした中で流れる多様な情報は「鮮度が高い情報には精度に難がある」という状況に陥りがちだ。それがデマ情報などとして流布する展開などを、意識して回避する必要がある、と話していた。

 そのためには「解決済みの情報をいかに出していくか」も含めた、タイムリーな情報発信が課題として浮かび上がる。これには行政だけでなく「市民からの情報も組み合わせた発信の仕方があるのではないか」と畑山氏はみる。新型コロナを巡っては、ITを使った地域課題の解決をめざす団体「コード・フォー・ジャパン」と連携して東京都が対策サイトを立ち上げた。コロナ以前に神戸市もスマートフォンアプリのLINEを活用した市民からの防災情報の収集を始めている。こうした動きが課題の突破口になるのではないか、との展望を語った。

 同じくトークイベントに出演した神戸市の松崎太亮スマートシティ担当課長(写真左下)は、阪神淡路大震災のときにまだ珍しかった自治体ホームページである神戸市のホームページを通じて、被災地の情報を発信。国内外に被災地発の情報を正確に発信することの重要性を実感したという。現在の新型コロナウイルスへの対応として、神戸市が都心地域の人の流れのデータなどを公開しているのは、見えにくい感染拡大の可能性を、現場のデータを使って見える化するのがねらいだと紹介した。

 司会は会社代表の佐合純さん(写真左上)、078実行委員会の船橋健雄さん(同右上)が務めた。

▽関連記事
関連記事

広告

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

広告

広告

広告

カレンダー

03 | 2024/04 | 05
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 - - - -

広告

広告