久元神戸市長「桐島聡の時代よく覚えている」 世界パラ陸上を控え対テロ訓練
- 2024/03/05
- 06:26
【神戸経済ニュース】神戸市の久元喜造市長は4日午後、ユニバー記念競技場(神戸市須磨区)開催した「神戸市国民保護訓練」で講評して「振り返ってみると、日本は決してテロとは無縁ではなかった」と述べ、テロ対策を中心にした今回の訓練の意義を強調した。久元氏は「最近、姿を現して死亡した桐島聡をはじめとするグループは、1970年台に数多くの爆破事件を起こし、多くの命が失われた」と指摘。「私は桐島聡と誕生日がひと月も変わらず、あの時代のことはよく覚えている」とテロの報道が相次いだ当時の記憶を語った。
この日の訓練は、5月に同競技場で開催する世界パラ陸上競技選手権大会を控え、大会期間中に毒ガスのサリンによるテロが発生したのを想定。観客席で液体の入ったペットボトルが倒れ、観客がのどの痛みを訴えたのをきっかけとして訓練が始まった。毒物をサリンと特定し、兵庫県警察や神戸市消防、兵庫県災害医療センターなどが観客の救命・救助を担当。スタンドの除染などを陸上自衛隊第3師団が担当した。11大学から参加した観客役の学生や、やはり観客役で参加した障害者10人などを含め、約250人が訓練に参加した。(写真は訓練の様子)
訓練の終了後に取材に応じた兵庫県警の堀祐一郎警備課長は、「テロを発生させないというのが警察としての第一の取り組みで、そのために関係機関と連携しながら対策に取り組んでいる」と説明した。神戸市の筒井勇雄危機管理監は「自衛隊、警察、消防、DMAT(災害派遣医療チーム)との連携も今回の訓練で確認でき、大会に向けた準備は順調と考えている」「神戸市の各部局で連携して安全を確保し、1人でも多くの来場者に大会を楽しんでもらえるようにしたい」と話していた。
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