(動画)ドンと一発、ひるんだテロリスト制圧 神戸港でテロ対策合同訓練



【神戸経済ニュース】「ドン」という一発の大きな音にひるんだテロリストは、思わず人質の手を離す。そのすきに警察官は機関銃の銃口を向けながらテロリストに迫り制圧ーー。神戸港の中突堤(神戸市中央区)では12日午前、神戸港の危機管理に関わる各機関が連携し、実物の船舶を使ったテロ対策訓練「第24回神戸港テロ対策合同実働訓練」を実施した。港湾管理者で神戸港保安委員会の事務局を務める神戸市のほか。海上保安庁、警察、出入国在留管理局、税関、消防などに加え、岸壁の管理に関わる民間会社など109人が参加した。

 旅客船からテロリストの集団が上陸する想定で、(1)出入国在留管理局と税関が不法入国の阻止(2)不法入国者に協力する小型船を海上保安庁が追尾・制圧(3)警察による船内捜査と人質を取って逃走を要求する人質の制圧(4)消防による負傷者の救急搬送(5)港湾管理者が発見した不審物の処理-ーと5つの場面で訓練した。逮捕権を持たない税関職員は、警察が到着するまで時間稼ぎする必要があるなど、想定される場面ごとに連携や手順などを改めて確認した。冒頭の火薬を使った訓練は、(3)の犯人を取り押さえる瞬間だ。

 船舶は神戸クルーザー(神戸市中央区)が「ルミナス神戸2」を訓練のために貸し出した。閉会式であいさつした神戸市の長谷川憲孝・港湾局長は「3月からクルーズ船(外国客船)の入港が本格化している」「2025年には(国際博覧会の)大阪・関西万博もある」となどと指摘し、船を使って日本に入国する外国人が増えると強調。「神戸港の安全・安心を図るために非常に重要な訓練だった」と述べ、各機関の連携で神戸港の安全が維持できることに期待した。

 海上保安庁、警察、神戸税関、出入国在留管理局、神戸市の危機管理室に消防局、港湾局など、それぞれに役割があるほか、神戸港などの主要港湾には民間が管理している岸壁も多い。訓練後に取材に応じた安尾博志・神戸海上保安部長は「実際に何かが起きると、情報の共有や連携に少し手間取るだけで事件が大きくなるということもある」と指摘。新型コロナウイルスの影響では20・21年度は中止し、22年度は規模を縮小して実施したこともあり、関係機関が幅広く参加した訓練の重要性を改めて強調した。

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