「難聴の治療薬開発」が1位を獲得 独自性など高く評価・独医薬品社のコンテスト

20220929事業コンテスト

【神戸経済ニュース】独医薬品のベーリンガーインゲルハイムの日本法人である日本ベーリンガーインゲルハイムが28日に、神戸市中央区のクリエイティブラボ神戸で開催した医療・医薬品分野の事業コンテスト「ベーリンガーインゲルハイム・イノベーションプライズ」では、難聴の遺伝子治療と治療薬を開発する「ギャップジャンクション」(東京都文京区)が1位を獲得した。医薬品で難聴を治療する発想の独自性に加え、遺伝子治療の技術を活用する知見の高さや現実味を高く評価した。(写真は記念撮影する受賞者と審査員)

 ギャップジャンクション社の神谷和作社長(順天堂大准教授)は2021年4月に同社を設立。これまで研究してきた難聴治療の事業化に乗り出した。難聴は補聴器などを使い、積極的に治療するケースは少ない。だが、特に遺伝性難聴は再生医療、遺伝子治療で根本的治療が可能とみて開発を進めている。審査員による審査で1位の賞金400万円に加え、テレビ会議システムを通じてコンテストを観覧した視聴者の投票でもトップを獲得。追加で25万円の賞金を得るなど、この日の話題をさらった。

 審査員を務めたファーマ・ビジネスコンサルタントの桜井満也氏は、難聴になる仕組みを踏まえた「iPS細胞による疾患の再現から、創薬につなげた点が技術的に興味深い」と独自性を評価。「医薬品で難聴を治療する道が開けたのを感じた」と話していた。ギャップジャンクションの神谷社長は、創業から約1年半とあって「このように早い段階で高く評価していただき、信じられない気持ちで驚いている」と語った。

 2位はミーバイオ(東京都港区)の「光で操作する遺伝子治療」だった。賞金100万円を獲得した。今回の事業コンテストには28社の応募があり、選考のうえで8社がプレゼンテーションに登壇した。ベーリンガーインゲルハイムが日本で、この事業コンテストを開催するのは4度目。2019年に東京で開催したが、新型コロナウイルスの影響で20年、21年はネット上での開催だった。今回は12日に結んだ神戸市、神戸医療産業都市推進機構との連携協定に基づいて、初めて神戸で開催した。

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