「なんとなく思ったことデータで裏づけ」 路線バス網・有識者会議が報告書
- 2021/07/30
- 02:30
神戸市の「データに基づく持続可能な路線バス網の構築に向けた有識者会議」で座長を務めた土井勉・グローカル交流推進機構理事長(写真左)は29日、同有識者会議がまとめた報告書を今西正男副市長(同右)に提出した。報告書では採算が良好である路線の特徴や、便数・混雑に関する考え方などをまとめた。「高低差のある路線は収支が良好といった、現場で『なんとなくそうだろうな』と思っていたことをデータで裏づけた」と説明。さらに「今後も継続した点検が必要だ」と話していた。
報告書を受け取った今西副市長は、「超高齢化時代になると、運転免許を返納したお年寄りが出歩くのに路線バスは欠かせない存在で、持続可能性はきわめて重要な問題」と話した。加えて、バスの運転に必要な大型二種免許の取得者数も減少が見込まれる点でも、効率的な路線バスの運行は避けて通れない問題だ。バス路線を維持するためのルート設定などを「模索しながら、常にデータを更新して、取り組んでいく必要がある」と語った。
神戸市は今年から路線バスで乗車時と降車時の2回、ICカードをタッチする「2タッチ制」を採用。バスの乗降に関する情報がよりきめ細かく収集できるようになった。そうした新たに収集できるようになったビッグデータなども活用しながら、新たなバス路線網を設定する際などの指針「基本的な考え方」を年度内にも作成したい考えだ。今回の報告書を中心に、有識者会議の議論で得られた成果を「基本的な考え方」でも活用する方針だ。
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