もっと使われる市バスとは? 「データに基づく路線網」で神戸市が有識者会議
- 2020/08/26
- 00:14
神戸市は25日、需要に応じた路線バスのルート設定について考え方を示す有識者会議「データに基づく持続可能な路線バス網の構築に向けた有識者会議」の初回会合(写真)を開催した。人口減少などを背景に神戸市バスの乗車人員は1992年度をピークに減少が続く。一方で、バスの運転手も不足するなどバス事業の経営資源も限られる中で、現在の路線網を軸にしながらも、より多くに住民に利用される路線設定などに向けた考え方を示す。
初回の会合では神戸市が有識者らに市バスの現状などを説明した。2018年度の市バス乗車人員は年間で6688万人。これまで最も多かった92年度の1億2126万人から半分近く減った。経営状況は路線全体で赤字のうえ、路線別に見ても7割の路線が赤字だ。一方で、神戸市バスは2〜3年に1度の交通量調査を実施。さらに21年度には料金の均一区間でも乗車時と降車時の両方でICカードをタッチする方式に変更し、停留所ごとの乗降客数を正確に調べられるようになる。
座長を務める土井勉・グローカル交流推進機構理事長はあいさつし、公共交通の役割について「移動を束ねる役割はコンパクトな街づくりに生かせる」「潜在的な需要を顕在化する役割は、街のにぎわい作りに役立つ」と語り、市バスの役割が高まることへの期待感を語った。有識者会議には土井氏のほか桜美林大学特任講師の池田聡氏、計画情報研究所主任研究員の北川真理氏、鳥取大学副工学部超の谷本圭志氏、福島大学教授の吉田樹氏が出席する。
10〜11月をめどに開催する次回の会合までに、検討に使用するデータの整理や利用状況のさらなる分析などを実施する。有識者会議は、合計で4回程度の会合を年度内に開き、報告書をまとめる計画だ。有識者会議での議論には、民間バス会社での勤務経験があり、バス事業の事業戦略の計画立案を担当する交通局の児玉健副局長も議論に加わる。
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