住友ゴムの泉大津工場、吉村大阪知事が視察 「880万人訓練」に参加
- 2020/09/05
- 00:33
吉村洋文大阪府知事は4日午前、同府による南海トラフ巨大地震を想定した一斉避難訓練「第9回大阪880万人訓練」の一環で住友ゴム工業の泉大津工場(大阪府泉大津市)を視察した。同工場は6月に泉大津市と協定を結び、体育館と駐車場などを避難所として活用することが決まってから、初めての避難訓練になった。吉村知事は避難所に設置する予定のベッドや仕切りを確認したほか、泉大津市の担当者による健康観察のデモを体験(写真中)。さらに想定した地震発生時刻の午前9時半には、吉村知事が机の下に潜り込み、身を守る行動を取った。
泉大津市が公共施設に開設する避難所が満員になった際、臨時の避難所として住友ゴムの施設を活用する。新型コロナウイルスの感染防止を目的に、公共施設の避難所は1人あたりのスペースを広く取る必要が出てきた。このため泉大津市が必要な場合に避難所として協力するよう住友ゴムに要請、同社がこれに応じて6月に協定を結んだ。住友ゴムの体育館には避難者230人を収容できる。
住友ゴムは避難者の居室として体育館を提供するだけでなく、これまで災害対策基本法に基づいて自治体が作成する地域防災計画では位置づけられてこなかった、車中泊避難のためのスペースを100台分を作り出すことができる。加えて、体育館のシャワーや、普段から従業員が24時間使える大浴場を避難者向けに転用することもできる。従来の避難所では課題だった入浴も可能だ。
同工場は2003年に住友ゴムと合併した旧オーツタイヤが本社を置いていた。工場地区と本社地区が道をはさんで分かれており、体育館や駐車場、大浴場などは本社地区にある。本社地区を避難所として泉大津市に提供しても、工場地区では影響を受けずに事業継続計画(BCP)に従って災害対策などを進めることができるのも特徴だ。
視察後に記者団の取材に応じた吉村知事は「安心してスペースを確保できるだけではなく、避難されてくる方に快適な場所 を提供することができる」「コロナ禍における新しい避難のあり方」との見方を語った。住友ゴム泉大津工場の箱島英一工場長は「以前から従業員の間で緊急時に何か地域貢献できないかと話していた」「企業の地域貢献は必須と考えており、今後も協力していきたい」と話していた。
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