尾山アシックス会長「リアル店舗はネットと共存する」 神戸市が靴産業セミナー

20200905シューズ業界

 アシックスの尾山基会長CEO(写真中)は4日、神戸市が新長田合同庁舎(神戸市長田区)で開催した「新型コロナ時代のシューズセミナー」でみなと銀行の服部博明頭取(写真右)と対談し、ネット通販がさらに普及しても「リアル店舗はネットと共存する」との見方を語った。「たとえばキップ(子牛の革)とステア(雄牛の革)はどう違うのか」と例を挙げ、買い物する際に重要な質感や触感を知るためには、消費者が店舗に向かうとみている。今後は商品の展示に特化した「物だけあって在庫がない店」が増えるとも予想する。

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴って外出を自粛する動きが広がる中で、世界でネット通販が伸びているという。中国では直営のネット通販のほか、ネット通販サイト「アリババ」への商品供給なども含めると、売上高の約半分がネット通販になっているという。加えて、新型コロナの影響に加え、昨年末にランニングアプリに連動したネット通販サイトを再構築した効果もあり、北米と欧州のネット通販の売上高はそろって前年比で倍増しているという。相対的に「日本だけがスロー」という結果になる。

 直営のネット通販を運営した過去10年間を振り返ると「荷造り運搬費の増加が課題」と、とらえているという。直営ネット通販で「1足、1足、お客さまのもとに届ける必要がある」という個人向けの受注が大幅に増えた結果、さらに配送費用は上昇傾向だ。このため「(楽天の)三木谷さんが、三千数百円の運賃を負担させたいのは分かる」とこぼした。もっとも、これは「在庫がない店」の増加によって、一段と傾向に拍車がかかる公算とあって、尾山氏は経営者を中長期的に悩ませる問題になるとみる。

 みなと銀の服部頭取は、ネット口座の浸透で「みなと銀行の来店客数、この10年間で3割ぐらい減っている」と説明。「お客さまとのコンタクトの拠点(支店など)はできるだけ残していきたい」と断ったうえで、足元で前年と比較すると「投資信託のネット販売は、2.5倍になり、ウェブの新規口座も2倍」「ネット化、オンライン化は加速度的に進むだろう」とみる。ただ銀行としては「事業承継やM&Aはお客さんと膝詰めで話さないと前に進まないといったことが多い」といい、すべての銀行業務がAI(人工知能)に置き換わる可能性は低いと強調していた。

 対談の聞き手は婦人靴メーカー「カワノ」(神戸市長田区)の河野忠友社長(写真左)が務めた。

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