川重、空飛ぶ「軽トラック」試験機の浮上試験に成功 発電機を搭載

20200525川重ドローン

 川崎重工業はこのほど、大型で航続距離が長く、比較的大容量の貨物を運ぶ「空飛ぶ軽トラック」の開発を目的としたドローンの試験機で浮上試験に成功したと発表した。ドローンの大きさは長さ約7メートル、幅約5メートル、高さ約2メートル。垂直方向の浮上と、浮上して静止(ホバリング)した際の姿勢制御が可能であることを検証した。浮上する移動手段として「空飛ぶクルマ」の研究開発は相次いでいるが、大容量貨物を輸送する大型ドローンの開発は珍しい。(写真は浮上試験の様子=川重提供)

 同社の高性能オートバイ「Ninja ZX-10R」のエンジン3台とキャパシタ(蓄電装置)を搭載し、エンジンで発電した電力で8基のモーター・プロペラを駆動するハイブリッドシステムだ。200キログラム以上の貨物を積載し、100キロメートル以上の航続距離を意識して試験機を企画した。バッテリーだけを動力源としたドローンと異なり、大きな力で長時間持続することができる。ヘリコプター輸送では採算が合わないが、小型ドローンでは間に合わない中近距離の物資輸送に対応する。

 今後は市場動向や需要などを勘案したうえで、製品化をめざすかなどを検討する。エンジンとモーターによるハイブリッドシステムが稼働するか確認することを主眼としたことから、今回の試験では一部の電子機器を地上に配置。ドローンの姿勢制御などの空中での調整は無線ではなく、地上とケーブルをつないで実施したという。試験機であることから、ドローンの詳しい仕様などについては明らかにしなかった。

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