神戸市の商業地が2年連続で下落 飲食店が集まる地域で顕著・公示地価
- 2022/03/22
- 18:01
【神戸経済ニュース】国土交通省が22日に発表した1月1日時点の公示地価によると、神戸市平均では商業地が前年に比べ0.3%下落した。特に飲食店の集積がある中央区の下落が目立ち、長田区も下落した。半面、東灘区、灘区、兵庫区、須磨区、垂水区、北区は上昇し、西区は前年比横ばいだった。新型コロナウイルスの緊急事態宣言や、まん延防止等重点措置で打撃を受けた飲食店の撤退などが相次いだ影響が地価にも表れた。一方で、住宅地は神戸市平均で0.2%上昇と、2年ぶりに上昇した。工業地の上昇も目立った。
商業地は中央区の下落が2.5%と、最も大きな値下がりだった。ただ昨年(4.9%下落)よりも値下がり率は縮小した。半面、昨年も上昇した東灘区は1.8%上昇(昨年は1.1%上昇)、灘区は2.2%上昇(同0.9%上昇)と、古くからの住宅地が多い地区の上昇には拍車がかかった形になった。北神急行線の市営化で都心三宮までの運賃が下がった北区の商業地も上昇が続き、1.5%上昇と前年(1.0%上昇)に比べて値上がり率が拡大した。
神戸市内で最も地価が高かった商業地は11年連続で中央区三宮町1だった。ただ地価は前年比5.8%下落の1平方メートルあたり612万円と下落が続いた。同地点は神戸市内で2番目に値下がり率が大きかった。神戸市内で最大の値下がり率を記録したのは、昨年に続いて中央区中山手通1で6.7%下落の111万円だった。
住宅地は灘区の上昇がけん引。JR摩耶駅前に商業施設や病院が開業したことで、利便性が高まった駅周辺の人気が根強い。灘区は2.0%上昇(昨年は1.3%上昇)し、東灘区は0.9%上昇(同0.3%上昇)だった。昨年横ばいだった中央区も0.7%上昇した。兵庫区と垂水区も上昇に転じた。半面、長田区、北区、西区は下落した。須磨区は横ばい。神戸市内で最も価格が高い住宅地は、引き続き東灘区岡本2で、価格は前年比横ばいの1平方メートル当たり58万5000円だった。
工業地はネット通販の活発化などによる倉庫需要の高まりを背景に、上昇が目立っていた。兵庫県内で調査した66地点のうち60地点が上昇、5地点が横ばい、1地点が調査地点の変更で比較なしだった。神戸市内では、東灘区魚崎浜町36が8.2%上昇の1平方メートルあたり8万1900円、東灘区住吉浜町19で6.3%上昇の6万7900円など高い上昇率を記録した。
公示地価の全国平均では商業地が0.4%上昇、住宅地が0.4%上昇した。全用途は2年ぶりに上昇してプラス0.6%だった。
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