神戸市は17日、諏訪山公園(神戸市中央区)の展望広場「ビーナステラス」とビーナスブリッジから見た眺望を維持するための建築物の高さ規制などに向け、意見募集を実施すると発表した。これまでに神戸市は、ポートアイランドの「しおさい公園」を基準点として海から山側を見た場合の眺望維持を目的とした高さ規制を実施しているが、山側から海を見下ろした際の高さ規制も実施して、景観の保全を強化する。
具体的には、ビーナステラスを基準点として、19キロメートル沖合にある海面(標高0メートル)が見えるようにする。東の端は基準点とポートアイランドの北端を結んだ線、西は基準点と淡路島の篝場山(淡路市)を結んだ線を範囲とする。三宮周辺から須磨駅あたりまでが範囲に含まれる。ビーナステラスの標高は159.5mメートルで、目の高さは1.5メートルを想定。基準点から2キロメートル離れたハーバーランドでは高さ141メートルほど、5キロメートル離れた新長田駅と鷹取駅の中間付近では100メートルが高さ制限になる公算だ。(図=神戸市提供)
このほかビーナスブリッジから見える景色については近景、中景について基準を設置。神戸ポートタワーや神戸市立海洋博物館など、神戸港の象徴性の高い建造物の視界をさえぎらないよう、建築物や広告などのデザインを選ぶ必要がある。さらに夜間景観についても言及し、外から見える照明は電球色を推奨することや、点滅したり色が変化したりする広告看板などは原則として禁止することなども示した。
資料は神戸市役所の市政情報室や各区役所まちづくり課などで閲覧できるほか、
神戸市のホームページにも掲載した。意見募集は6月27日〜7月26日。郵送、ファクシミリ、電子メール、持参のいずれも可能だが、電話など口頭での意見は受け付けない。「今後のスケジュールは未定」(神戸市の景観政策課)としているが、年度内にも都市景観条例や景観法が定める基準改正につなげたい考えとみられている。
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