急行バス継続、20年度に光ケーブルなど 「六甲山グランドデザイン」を決定
- 2019/03/27
- 14:22
神戸市が兵庫県と協力して昨年3月から開催した六甲山再生委員会(委員長・長浜伸貴神戸芸術工科大学教授)は、27日に開いた第3回の会合で六甲山の活性化で指針になる「六甲山グランドデザイン」を決定した。瀬戸内海国立公園の一部であり六甲山の自然や環境など資源を保護する一方で、住民の活動や観光の場として使い勝手を改善。環境規制の緩和を進めるほか基準の明確化などを今後も進める方針を決めた。
具体的な整備・事業計画としては、2018年7〜11月に社会実験として運行した三宮〜摩耶ケーブル下・六甲ケーブル下への急行(直通)バスを継続することとや、神戸観光局による観光プロモーションへの一段の強化、さらに未整備だった六甲山上地区への光ケーブル敷設を20年度まで神戸市が進めることなどを盛り込んだ。道路付属物・舗装の更新や道路脇に歩道を建設する方針も示した。
六甲山のうち4地区について地区別の整備・利用方針を設定。六甲山地区は「六甲山を象徴する景観と機能が集まる『山上のヴィレッジ』」、摩耶山地区は「絶景と美しく静謐(ひつ)な自然に抱かれた『眺望と文化が彩る山上』」、布引地区は「日本三大神滝に出逢(あ)う『ナショナルパークへのエントランス』」、再度山地区は「自然に浸る『学びと発見に満ちた山地』」とした。
このほか国立公園内である六甲山で事業活動や建設などの際、関連する規制と国・県・市の担当窓口17カ所をすべて列記した「六甲山のススメ(六甲山の土地利活用促進ガイドブック)」を、六甲山再生委員会の活動をきっかけに神戸市が作成したことも紹介。国・県・市の関連部局などで活用するほか、希望者に配布する方針だ。
もっとも六甲山に関連する規制では、依然として担当窓口が多数あることについて、民間の委員から改善を促す声も出た。これを受けて委員会に顧問として出席した久元喜造市長は、「一覧性のあるものができただけでも役所としては進歩」と一定の評価をしながらも、「総合窓口である(神戸市の)経済観光局に電話をすれば、たいていのことは分かるようにしておいてほしい」と事務局に支持していた。
六甲山再生委員会の活動は今回で終了し、環境省近畿地方環境事務所国立公園課がとりまとめる「国立公園六甲山魅力向上プロジェクト推進委員会」に議論を吸収するという。六甲山再生委員会の長浜委員長が「2019年度は六甲山の管理運営計画について議論する」と説明した。
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