川重、無人の自律運転車で物資の工場内輸送に成功 明石工場で実証実験

20220328川重多用途UGV

【神戸経済ニュース】川崎重工業(7012)は28日、同社の明石工場(明石市)で運転手が乗らない自動運転の車両を使い、15台のエンジンを、エンジン工場から約300メートル離れたオートバイの組み立て工場まで輸送する実証実験に複数回成功したと発表した。通常は運転手が乗ったトラックで運ぶ物資を、無人で自律走行する車両で輸送できたことで、軌道などを整備せず比較的少ない設備投資での工場内輸送の大幅な効率化に道が開けた形だ。

 川重が開発した車両は「多用途UGV(無人地上車両)」(写真=川重提供)。同社が北米向けなどに製造しているオフロード多目的4輪車の「MULE」に、無人自律走行用のシステムを搭載した。レール(軌道)などを必要としないため、新たな周辺のインフラ整備が不要。狭い通路でも自動走行できる。走行ルートも変更しやすく、製造ラインが変化した場合でも柔軟に対応できる。

 昨年12月ごろから明石工場内で試験走行を開始。今年に入って無人での工場内で走行試験を実施し、業務で使用しているトラックの代わりができるかテストした。そのうえで実際にオートバイに使うエンジンを輸送。荷台を空にした状態でエンジン工場まで集荷に向かい、エンジンを積み込みを終えるとエンジンを輸送、オートバイ工場に到着すると荷下ろし、というサイクルでエンジンの輸送を繰り返すことに成功した。

 実証実験で使った車両はモーターで車輪を駆動する電気自動車(EV)を採用し、車輪など足回りは舗装した工場内を走るためオンロード仕様にした。だが充電環境の確保が難しい場所ではエンジンで駆動したり、未舗装路の走行は足回りをオフロード仕様にしたりと、用途に応じて車両の装備を選ぶことができるという。ただ実用化や製品化の時期などについては未定としている。

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