川重とソニーの新会社、500km離れた遠隔操作で実証試験 川重製ロボットで

【神戸経済ニュース】昨年12月に営業を開始した川崎重工業(7012)とソニーグループ(6758)の共同出資会社である「リモートロボティクス」は7日、最大およそ500キロメートル離れた場所から川重製ロボットに作業を指示する遠隔(リモート)操作の技術実証試験2件に成功したと発表した。リモートロボット操作システムの基本的な機能について確認できたうえ、公衆回線を経由することによる指示の遅れ時間などの基礎的なデータを取得できたという。リモートロボティクスは引き続き2022年中の本格的なサービス開始をめざす。

 技術実証試験の1件目は川重傘下のアーステクニカの八千代工場(千葉県八千代市)で、大型金属部品を研磨する作業現場にある川重製のロボットシステムを遠隔操作した。東京都港区のリモートロボティクス本社や、明石市の川重明石工場から作業担当者が、公衆回線を経由してロボットシステムに接続。研削の対象になる大型の金属部品を計測したほか、研削範囲を指示した。ロボットが指示通り作業できたのを確認した。

 2件目の技術実証は、川重播磨工場(加古郡播磨町)に設置したリサイクル用ビン選別システムで実施した。作業担当者が東京都内の自宅などから、公衆回線を通じて播磨工場内にあるビン選別システムに接続。さまざまな色や形のビンが流れるコンベアを撮影したカメラの映像を東京のパソコンなどの装置に取り込み、ビンの色や重心位置を判断した。さらに播磨工場内のロボットに指示を出して、指示通りのビンを選別できることを確認した。

 リモートロボティクスはロボットを活用することで、現場がある職種でも場所や時間にとらわれないテレワーク(在宅勤務)ができるようにすることをめざす。川重が得意とするロボットや乗り物の制御技術と、ソニーが持つ画像処理やセンシング(探知)、通信の技術などを出し合い、すべての人が社会参加できる新しい働き方の普及をめざしている。

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