川重、大型ガスエンジンで水素30%混焼技術を開発 国内メーカーで初

20220316グリーンガスエンジン予想図

【神戸経済ニュース】川崎重工業(7012)は16日、発電出力5メガワット以上の大型ガスエンジンで、体積比で30%までの割合で水素を天然ガスに混合した燃料を使い、安定的に設備を運用できる燃焼技術を国内ガスエンジンメーカーとして初めて開発したと発表した。発電出力や水素混合比率に応じ、燃焼状態を適正に制御できるシステムを構築。同システムを搭載したガスエンジンの単気筒機での実証運転に成功した。

 燃料に水素を混ぜて燃焼させる(混焼する)ことで、天然ガスだけの燃料を使う場合よりも二酸化炭素(CO2)の排出量を抑える「カワサキグリーンガスエンジン」(完成予想図=川重提供)を開発する一環だ。水素は天然ガスに比べて燃焼速度が速く、燃焼温度も高いため、異常燃焼や燃焼室の部品が過熱するといった技術的な課題があった。これを新たな燃焼制御システムの開発で乗り越えた。

 カワサキグリーンガスエンジンは、従来型のガスエンジンをベースに水素供給系統を追加するなど、必要最小限の仕様変更で水素混焼をめざす。2011年の初受注から180台を超す販売実績がある機種の信頼を引き継いで、水素エネルギーを使えるようにしたい考えだ。

 今回の技術開発を受けて、水素混焼機能を持った機種の早期完成をめざして開発を続ける。すでに川重が販売したガスタービンエンジンで発電出力6000キロワット、年4000時間運転する場合、水素を体積比で30%で混焼すれば年間1000トンのCO2排出削減につながるという。現在稼働中の川重製ガスエンジンの改造と、水素混焼できる機種の発売は2025年を予定している。

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