神戸市は9日、JR三ノ宮駅など各鉄道の三宮駅周辺の再開発で、建築物などを設計する際の基準になる景観デザインコードのうち、規制やガイドラインの前提になる考え方を示す「景観形成方針」を決めたと発表した。ほぼ歩行者専用に作り変える三宮交差点の周辺に建設する建物が、ある程度共通したデザインで設計することで再開発後に美しい街並みにするのがねらい。
内容は「公共空間と『まち』のつながり」「開放感とゆとりを感じる空間」「高質で穏(おだ)やかなしつらえ」「新しい神戸の玄関口」という4つを柱に、10項目の方針で示した(表)。これまで「えき≈まち空間」の基本計画などで示した空間形成の方針を、改めて示した形だ。神戸開港以来の歴史を踏まえた「神戸らしいまちなみ」の形成をめざすという。
低層部はピロティー(壁を設けず広場のようにする)形式などで公共空間を確保するほか、高層階は壁面を後退させて圧迫感を抑え、照明は通りに漏れ出るようにしてにぎわいを演出するなどを求めている。ただ低層階の定義や高層階をどの程度後退させるかなど、具体的な数値は今後議論する「景観形成基準」で定めるとして、現時点では示していない。
景観デザインコードは、基礎になる考え方を示す「景観形成方針」、法令に基づく建築規制などを示す「景観形成基準」、強制できないが地元自治会などで合意のうえでルールとする「ガイドライン」の3種類で構成。このうち最初の景観形成方針を打ち出したことで、今後は方針に沿った具体的な景観形成基準づくりに入る。神戸市は年度内にも議論を終え、来年度の早いうちに景観形成基準を決定したい考えだ。
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