神戸市、卸売市場の法改正対応で議論を開始 「業務運営協議会」を開催

 神戸市は、売買取引や決済の方法について一律の規制を緩和する改正卸売市場法が2020年6月に施行されるのを控え、新たな中央卸売市場の制度設計に向けて議論を始めた。生産者や需要家、市場関係者らが出席する神戸市中央卸売市場の業務運営協議会を21日に開催。岡口憲義副市長は会議の冒頭で、中央卸売市場は「神戸市民の台所として大切な役割をはたしていかなくてはならない」「まずは法改正のポイントなどについて情報共有したい」とあいさつした。

 法改正では仲卸業者が産地から直接集荷することを禁じる(直荷引きの禁止)規定や、農産物などを卸売市場に持ち込んで取引する(商物一致)原則などがなくなり、市場ごとにルールを設定すればよくなる。少ない数量だが付加価値の高い農作物でも市場で取引しやすくなったり、約定や決済のみ市場で済ませて物流を効率化する効果などが期待されているという。

20190121卸売市場業務運営委員会

 大手スーパーによる契約農家からの直接仕入れなど流通構造の変化を背景に、全国の卸売市場では取引数量が伸び悩んでいる。人口減少もあって卸売市場の取引数量は、回復が見込みにくいとの見方が多い半面、市場の相場(価格)形成機能などには需要も残る。このため神戸市は、引き続き同市が市場開設者として農産物の価格形成に公平性を備える一方で、取引を活性化させたい考えだ。

 業務運営協議会の小野雅之会長(神戸大学大学院教授、写真)は「創意工夫次第では、新たな取引ルールによって市場の活性化も可能と(法改正を)受け止めたい」と述べた。そのうえで「取引参加者の意見を十分に踏まえたうえでルールを作っていくことが必要だ」と指摘し、業務運営協議会に委員として出席した関係者らに協力を求めた。

 神戸市では今後、市場関係者らの意見を聞いたうえで新たな取引のルール案を作成。19年度には3回程度の業務運営委員会を開いて新たなルール案をまとめる。20年2月の市議会に卸売市場を巡る条例の改正案を提出し、国にも認定を申請するなどで、20年6月の改正卸売市場法の施行に間に合わせる計画だ。

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