川重など、ウズベキスタンで熱電併給システム実証運転 期間延長も検討
- 2021/03/03
- 01:49
川重と丸紅ユティリティ・サービスは2日、旧ソ連・中央アジアのウズベキスタンで発電出力17メガ(メガは100万)ワットの「中型ガスタービン高効率コージェネレーションシステム」の実証運転を1月から開始したと発表した。人口の増加が加速しているフェルガナ地域に熱電併給のシステム(写真は外観=川重提供)を設置し、遠方からの送電に依存していた電力供給を安定させ、同時に高効率での熱供給も実現する。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業。電力消費が大きいフェルガナ地区内で発電すれば、送電による電力ロスが抑えられる、これまで施設老朽のため悪化していた熱供給の効率も改善。従来に比べて38%の省エネルギー効果が見込めるという。そうした対応に向けて「中型」と「小型」のガスタービン高効率コージェネレーションシステムの有効性を今回の実証運転で示す。
2015年10月に当時の安倍晋三首相がウズベキスタンを訪問し、同国の政府と協力合意書を結んだのが事業のきっかけになったという。16年10月にはNEDOとウズベキスタン政府が事業事業の基本協定書を締結。その後、川重と丸紅ユティリティは、熱電併給のシステム設計、政策、輸送、据え付け指導、立ち上げに取り組んだ。19年12月から7メガワットと小型の熱電併給システムを実証運転中だ。
実証期間は2017年1月〜21年3月の予定。中型システムは残り時間がわずかなって、ようやく稼働した。中型のシステムについては新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、同国で都市封鎖(ロックダウン)などがあった影響から、なかなか試運転に入れなかったため。このため有効性の検証が不十分に終わるのを避けるねらいから、実証期間を半年程度延長する動きも出ているという。
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