久元神戸市長、外郭団体の経営監督強化で検討 「宮崎市政の負の遺産一掃」
- 2019/05/31
- 00:06
神戸市の久元喜造市長は30日の定例記者会見で、「外郭団体のあり方についても神戸市として全体的な視点を持って見直して、(1970〜80年代の)宮崎(辰雄)市政の負の遺産を一掃しなければいけない」と述べ、31団体ある外郭団体の経営監督の強化について検討に入ったことを明らかにした。神戸市が7割強を出資する外郭団体の1つである神戸新交通で、労組幹部に不正な給与が支払われていたのが明らかになったのを受けて、記者の質問に答えた。(写真は神戸新交通が運行するポートライナー)
久元氏は外郭団体の見直しについて「具体的にどうするのかというのは、なかなか難しい問題」とも指摘した。ただ、神戸新交通での不正給与問題を受けて、「神戸新交通の社長はじめ幹部も神戸市のOBで、神戸市の派遣職員もいる。他の外郭団体にも同じようなことがあるかもしれないという疑惑が、市民の間に起こってくるのは当然のこと」との認識を示した。まずは外郭団体が自ら経営の健全性を示すことが必要で、一連の手順について「具体的な方策をどうするか専門家の意見を聞いて検討を進めている」という。
神戸新交通での不正の背景には、「(労組幹部らが勤務時間中に無許可で組合活動に専念した)ヤミ専従の問題で調査委が明確に指摘していたように、宮崎市政のときに『労使共同決定方式』が行われるようになった」ことがあるとの見方を示した。久元氏は、宮崎氏が外郭団体を積極的に活用し、幅広い事業を展開したことを指摘したうえで、「株式会社神戸市の時代には役立ったと思うが、時代が変わったにもかかわらず、漫然と続けられてきた。かつては財産だったのが、負の遺産になった」と強調した。
宮崎辰雄氏は第13代神戸市長。1969年から1989年まで5期を務めた超長期政権だった。この間に六甲アイランド着工したほか、新神戸トンネル開通やポートライナー開業、神戸市営地下鉄西神・山手線の開通などインフラ整備が進んだ。さらに神戸ポートアイランド博覧会(ポートピア'81)の開催、総合運動公園や農業公園(現在の神戸ワイナリー)の開業などもあり、阪神淡路大震災前の神戸の風景がほぼ形づくられた。2000年に死去。
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