川重「水素航空機」開発着手 エンジン燃焼器や燃料タンクなど・NEDOが採択

20211106川重水素航空機

【神戸経済ニュース】川崎重工業(7012)は、温暖化対策に寄与する「水素航空機」の核になる技術の開発に着手すると5日に発表した。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は「グリーンイノベーション事業/次世代航空機の開発プロジェクト」を公募、これに川重が提案した「水素航空機向けコア技術開発」を5日付で採択した。事業費は総額約180億円を見込み、NEDOの補助額は175億円だ。

 具体的な研究項目は「水素航空機向けエンジン燃焼器・システム技術開発」「液化水素燃料貯蔵タンク開発」「水素航空機期待構造検討」の3分野だ。開発期間は2030年度までの10年間の予定。3分野の技術を統合して全体システムとしてまとめたうえで、最終年度の30年に地上での実証実験を計画している。

 想定するのは2000〜3000キロメートルの航続性能を持つ、水素を燃料とする航空機(図はイメージ=川重提供)。地上用の水素ガスタービンのノウハウを生かし、航空機向けの水素エンジンなどを開発する。水素エンジンは排気ガスが水蒸気だけとあって、温暖化ガスの削減に加えて、将来の窒素酸化物(NOx)規制強化への対応も見込める。

 同時にNEDOは三菱重工業(7011)と新明和工業(7224)が提案した「主要構造部品の飛躍的軽量化」の開発も採択。三菱重は新たな成形技術の開発による機体の軽量化技術を30年度までに開発する。新明和は主翼に取り付けた機体の傾きを制御する補助翼(エルロン)の3割軽量化を25年度までに開発する。研究費は総額約60億円を見込み、このうちNEDOが約36億円を補助する。

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