県市調整会議「消耗戦避けて」「Z世代を支援」で、ややすれ違い? 元町駅では一致

20231226県市調整会議

【神戸経済ニュース】兵庫県と神戸市が25日に神戸市役所で開催した「兵庫県・神戸市調整会議」では、両トップの発言が微妙にかみ合わなかった。会議の冒頭であいさつした久元喜造市長(写真左)は、全国的な人口減少に言及。久元市長は、限られた人口を奪い合おうと一部の自治体が医療費などさまざまな「無料化」や「現金給付」などを打ち出すケースがあると指摘した。そうなると「多かれ少なかれ、どの自治体も財政は厳しく、消耗戦になる」「選挙で約束して(財政的な理由で)実施されなければ政治不信につながる」ことから、「そうしたことのないよう市町への指導をお願いしたい」と斎藤元彦知事(写真右)に呼びかけた。

 一方、続いてあいさつした斎藤知事は、兵庫県が家計支援としてプレミアム付デジタル商品券「はばたんPay+(ペイプラス)」や、自転車用ヘルメット普及に向けた補助などを実施していることを紹介。加えて「若者、(1990年代後半から2010年代に生まれた)Z世代を支援するために、県立高校の環境整備、海外に挑戦する若者を応援するといった、教育のレベルを上げて、グローバル人材を育成していくことが大事」と強調し、むしろ新たな財政支出に力点を置いた発言になった。当人らが意識したかどうかは不明だが、斎藤氏が県立大学の「無償化」を打ち出したことを思い起こすと両氏のあいさつは、ややすれ違った印象になった。

 両トップのあいさつを終えた後は、資料に沿って兵庫県と神戸市に共通した事業や課題を兵庫県の各部長、神戸市の各局長らが説明。今回の会議では「2025年の国際博覧会(大阪・関西万博)への取り組み」「三宮・元町など都心の活性化」「港湾での水素活用など環境」「不登校・子育て支援や特殊詐欺への対策など誰ひとり取り残さない社会」「プロチームの増加や世界大会などスポーツの機運向上」「阪神淡路大震災30年での事業」の5分野について、改めて連携して取り組むことを確認した。

 その後の意見交換の中では、神戸市議会の河南忠和副議長がJR元町駅のバリアフリー化を話題にした。河南副議長は整備を急がせるため、JR西日本(9021)に政治が働きかける必要があるのではないかと主張。多くの行事が開催されているメリケンパーク(神戸市中央区)のJR線での最寄り駅になるためだ。これに斎藤氏が「(県庁に最も近い)西口のみならず東口も、引き続きJRに働きかけたい」と応じた。さらに久元氏が「元町駅は県庁の玄関で、神戸市にっても大事な駅だけに、県市が一緒に、もう1回改めて、一緒にJRに行って強く要請してはどうか」と、「一緒に」を強調。斎藤氏も深くうなずいた。

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